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[コマスポ]王者相手に善戦も優勝ならず

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[駒大スポーツ ゲキサカ版]
 『「アミノバイタル」カップ2014関東大学サッカートーナメント大会』兼 総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント関東予選決勝は6月8日、味の素フィールド西が丘でVS専修大戦が行われた。関東一を決める決戦は奇しくも、大敗した開幕戦と同じ会場とカード。開幕戦の借りを返すべく挑んだ試合であったが、3-5という結果で敗北を喫した。
 
 前半の2失点は相手の個の力を認めざるを得ないが、この失点の影響が最後まで尾を引いたことに違いない。前半6分、相手のシュートをDFがクリアするもそのこぼれ球に素早く反応したFW仲川輝人(4年=川崎F U-18) に右足を振り抜かれ幸先悪く先制を許すと、22分にはまたDF のクリアしたボールにミドルシュートを決められ失点。相手のリズムに合わせるような形で時間は過ぎていった。それでも、攻撃の活路を見出したのは、前へ前へとかけるプレスと駒大の一番の強みとしているサイド攻撃だ。プレスがはまるようになり徐々にペースを掴めるようになってから、持ち味である前に速い攻撃が展開できるようになる。駒大の1得点目もその中から生まれた。中盤のMF立石忠之(3年=海星高) がボールを持つと、右サイドのMF平野篤志(3年=大宮ユース) に素早くパス、平野のクロスに合わせた公式戦初出場にして初スタメンのMF新田己裕(3年=ルーテル学院高)が頭で押し込んだ。

 1点差と逆転に望みをつなぐ後半は、序盤と終盤で全く違った展開を見せた。序盤はまさに専修大の独壇場をまざまざと見せられる形に。特にハーフタイムのFW佐藤遵樹(2年=千葉U-18) の投入で活性化された専修大の攻撃陣に防戦一方。63分の佐藤のゴールを皮切りに68分、71分にFW前澤甲気(4年=清水商高) に2得点を許し、一時は4点差にまでに点差は開く。それでも勝利への執着心を消すことはなかった。ここから駒大の巻き返しが始まる。83分、FW小牟田洋佑(4年=前橋育英高) が遠目から右足一閃のシュートを打つと、それが相手DFに当たって角度を変えゴールに吸い込まれる。その後も攻撃のリズムを手放すことなく、辛抱強くチャンスを作っていくと、アディショナルタイム4分、MF吉岡雅和(2年=長崎総合科学大附高) のクロスを相手DFのクリア、そのこぼれ球に詰めたMF斎藤純平(4年=秋田商高) がゴール。しかし、攻撃の流れを掴み出したところで試合終了。反撃は及ばなかったが、攻撃に関しては駒大の狙いとする攻撃パターンを凝縮した3得点。開幕戦からのチームとしての成長を見せたそんな試合だった。

 しかし、試合後の選手の顔には、準優勝という結果に満足感というものは微塵も見られなかった。DF平尾優頼(4年=市立船橋高) は「これでは全然だめ。開幕戦と何も変わっていない。どんなに点を取っても負けたら意味が無い。」と第一声。0-6と手も足も出も出せず敗北した開幕戦と比べれば、十分互角に戦えていた。しかし、失点数に追いつくだけの得点をするには厚すぎる点差であり、攻撃陣に火が付くのは遅すぎた。「優勝したチームしか名前は残らない。準優勝に満足しているようではだめ。」と平尾は続けた。

 課題もはっきりと露見した決勝戦であったが、今大会の中一日や二日というという厳しいスケジュールの中、試合を重ねるごとにチームが成長していくのを感じた大会だった。決勝にまで辿り着いたのもフロックではなく実力があったからこそ。大会前は主力選手の怪我による離脱で不安を抱えていたが、代わって出場した選手の台頭は新たな風をチームに吹き込んだ。リーグ戦で懸念材料であった守備も、今大会では安定さが光った。課題以上に収穫が多い大会であったのは確かだ。あとは、その収穫をどれだけ全国の舞台で発揮できるかどうか。全国の舞台で躍動する駒大が見たい。
 
[写真]今大会攻撃面で奮闘したキム・デセン

(文・駒大スポーツ 高尾葉菜)
(写真 同 向江凌理)

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