beacon

[関東1部]降格圏内11位の中央大は0-4敗戦も「変われるチャンスはある」

このエントリーをはてなブックマークに追加

[9.6 関東大学リーグ1部第12節 順天堂大 4-0 中央大 味フィ西]

「相手が来るって分かっている分、引いて受け身になっちゃうとさらにやられる相手だったし、そこで出て行かないと、と話していたけれど、そこで出られなかった」。中央大の白須真介監督は後期開幕戦終了後、0-4での敗戦の悔しさを滲ませていた。そして「前に行こうとしている時に動き出しがなかったりやっていることが曖昧だった。4点とも相手の特長も出されたと思うんですけど、『なんで?』という失点だったのが残念です。12節目にして最低のゲームでした」と唇を噛んだ。

 前期の勝利数はわずかひとつのみで2分8敗。まさかの11位に低迷した。ともに有力なプロ入り候補であるエースFW砂川優太郎(4年=広島ユース)とCB岡崎亮平(4年=湘南ユース)をはじめ、戦力的には上位とそん色なく、ピッチ上で見せているパススタイルのサッカーも決して悪くない。ただ前期は7試合を1点差で落とすなど結果に結びつけられずにいる。

 この日は先にビッグチャンスをつくり、0-3とリードされてからも順天堂大ゴールへ迫り続けた。選手交代に伴い左から右サイドへポジションを移していた砂川や左の高速アタッカー、交代出場のFW古橋匡梧(2年=興國高)が個で打開したほか、大半の時間帯でボールを支配して攻め続けた。ただチャンスで決められず、攻守においてミスも。結果を出していないからか、後手に回るなど、判断の拙さも目に付いた。

 前期終了後は筑波大との定期戦に勝利し、夏もまずまずの調整を進めることができていた。ただ、後期開幕へ向けた力試しとして臨んだ総理大臣杯王者・流通経済大との練習試合で先制しながらも1-5で逆転負け。足が止まり、連続ゴールを決められてしまう。そこから立て直しを図ってきたが、流経大戦の敗戦が影響してか、チームは立ち上がりから勢いを欠いていた。

 この日のようなゲームが続くようでは1部残留は厳しいだろう。ただ、まだ残り10試合。巻き返す時間とチャンスはある。白須監督は「前向きに変えて、力に変えていけるか。ここで変われなかったら終わってしまうけれど、変われるチャンスはある」。リーグ優勝5回、準優勝10回の名門が、ここから反攻に転じる。

[写真]後半、中央大FW古橋が突破を図るが、順天堂大CB谷奥がスライディングタックルで阻止

(取材・文 吉田太郎)

TOP