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[早スポ]最下位相手に手痛い黒星

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[早稲田スポーツ ゲキサカ版]

 関東大学リーグ戦(リーグ戦)後期開幕から2勝1分と幸先いいスタートを切っている早稲田大(ワセダ)。15節ではここまで勝ち点6で最下位に沈む筑波大と対戦した。序盤はチャンスをつくりだしゴールに迫るも、8分に先制を許すとここから苦しい展開に。風の影響もあり攻撃の精度を欠く。後半開始後に猛攻を仕掛けると、3人の交代枠を使い切るなど手を尽くすもあと1点が遠く。0-1でリーグ戦優勝に向け痛恨の黒星となってしまった。

 強風の中行われた今節、試合の主導権を握ったのは筑波大だった。8分、中央からスルーパスを簡単に通されると、これを冷静に決められ後期リーグ戦で初めて追う展開に。それでも15分に右からのクロスに合わせたFW山内寛史(2年=國學院久我山高)のヘディングがポストを叩くなど、反撃の姿勢を見せる。しかし風下の中GK松澤香輝副将(4年=流通経済大柏高)のキック、MF近藤洋史主将(4年=名古屋U18)のパスが押し戻されるなどなかなか攻撃に厚みをもたらすことができない。逆に28分には相手ゴールキックがそのまま流れてシュートまでもっていかれるなど、苦しい展開のまま前半を終える。


 「後半は風上になりますし、もっとゴール前で勝負しようということを共有しました」(近藤洋)。後半開始後は怒涛(どとう)の攻撃をみせる。DFからの長いボールを起点とすると10分間で4度もCKを獲得。しかし、「本当にそれを奪うだけの自分たちの準備や、1つのボールにかける思いなどがまだまだ足りなかった」(DF田中進之介、4年=湘南ユース)と得点には結びつかず。チャンスを逃すと徐々に流れは筑波大へ。風の影響を感じさせないパス回しの前に守備に追われる時間が続く。セカンドボールの奪い合いでも遅れを取り始めると、68分にFW上形洋介(4年=早稲田実高)、81分には二人の選手を同時に代え何とか打開策を探っていく。しかしこの日はパスミスもありフィニッシュのかたちまで持って行けず。ラストプレーのCKでは松澤も上がったがネットを揺らせないまま試合終了。専大をかわして2位に浮上するチャンスを逃してしまった。

 ここ最近の3試合と違い、攻撃のかたちをほとんどつくり出せなかった今節。先制されると慌ててしまう場面が見られた。実力が伯仲するリーグ戦においては今後も先制される展開は間違いなく訪れるはず。「レベルの高い相手には想定内というか、覚悟していかなくてはいけない」(近藤洋)と語るように、そこから逆転するチーム力が必要となるだろう。幸いにも首位の順大が敗れたため勝ち点差はいまだ『5』のまま。悲願のリーグ優勝に向け、下を向いている暇はない。

(記事 増山祐史、写真 大森葵)

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