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逃げ道を無くし、腹括る…国士舘大新主将DF附木の心意気

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 昨冬に行われた全日本大学選手権で4強入りを果たした国士舘大。新チームの主将はDF附木雄也(国士舘大3年=八千代高)に決まった。例年通りに細田三二監督による指名で決まったが、その裏側では附木が覚悟を持ち、主将就任を直訴していたという。

 昨季のチーム解散直前。附木は細田監督の元へ行き、「自分にキャプテンをやらせて欲しい」と訴えた。DFリーダーの思いを聞いた指揮官は「スタッフとこれから相談するけれど考慮するから。分かった」と応じたという。そして新チームがスタート。監督から発表された主将は附木だった。

 自ら志願した理由について、八千代高出身のDFは「2年生のときから試合に出ていて、去年も1年を通じて試合に使ってもらいました。でもラスト5試合で5連敗を喫した中で、自分はそのうちの2試合に出られなかった。その責任も感じているんです。それに学年のメンバーを見ても、客観的に自分が引っ張っていかないといけないと思いました」と言う。

「監督の指名で決まると、どこか逃げ道になる気もしたので。責任感と覚悟を持ちたいという意味でも、自分からキャプテンをやりたいと言ったんです」

 昨年の国士舘大は、第17節終了時までは関東大学リーグで首位に立っていた。しかしラスト5試合で痛恨の5連敗。悲願の優勝を逃している。また冬の全日本大学選手権(インカレ)では2年ぶりの4強入りを果たすも、準決勝で阪南大に1-3で敗れて涙した。

 新シーズンについて、附木主将は「まずリーグ戦のタイトルを獲りたい」と力を込め、「去年の内訳をみると、首位に立つ回数は多かったかもしれませんが、自分たちより上のチームには勝っていないので、優勝を逃すのは仕方ないなと。今年はしっかり勝ちきっていきたい」と誓う。

 主将を務めたDF中村俊貴(4年=流通経済大付柏高)やDF山田真己人(4年=神戸U-18)やDF福田友也(4年=正智深谷高)ら4年生が抜けたものの、守備の要である附木に加え、関東大学リーグ得点王のFW松本孝平(3年=藤沢清流高)や同アシスト王のMF荒木翔(2年=日本航空高)らは満を持して成熟のときを迎える2016シーズン。昨季と比べ、戦力的にはそん色ない陣容になる見通し。有望な新入生も多く加わる。

 「攻撃力は松ちゃん(松本)と荒木がいて、爆発的なものをもっているので。自分たちがどれだけ抑えるかで順位は変わってくると思う。責任持って戦いたい」。自ら逃げ道を断ち、主将に就任した附木が国士舘大を率いていく。

(取材・文 片岡涼)
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