beacon

[MOM640]明治大DF常本佳吾(3年)_3バック変更を可能にしたクレバーDF

このエントリーをはてなブックマークに追加

明治大のDF常本佳吾

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.21 関東大学L1部第13節 明治大1-0中央大 県立保土ヶ谷公園サッカー場]

 今季の大学サッカー界で圧倒的な成績を残す明治大が今年みせた大きな変化の一つに伝統的な4バックから3バックへの変更がある。DF岩武克弥(浦和)やDF上夷克典(京都)といったDF陣のタレントが卒業したことによる“守備力低下”を解決するために、栗田大輔監督はチーム立ち上げ時より守備練習に多くの時間を割き、3バックシステムの理解に力を注いできた。

 そこで急成長を遂げたのが、DF常本佳吾(3年=横浜FMユース)だった。スピード豊かな右SBだった常本だが、指揮官は常本のゲームを読む力に注目。自身もカバーリングや危機察知能力に自信を持っていたことから、3バックのセンターを託されることを抵抗なく受け入れたという。

 仲間の信頼も絶大だ。ボランチのMF瀬古樹(4年=三菱養和SCユース/横浜FC内定)は「日に日にリーダーとしての風格がついてきている。佳吾のカバー能力は素晴らしい。最後は守ってくれるだろうという信頼がある。佳吾が後ろにいるから僕たちも相手に強く行ける」。

 またDFラインを作るDF蓮川壮大(3年=FC東京U-18)は、「あいつがいなかった成り立たない」と信頼を語る。小学校、中学校とチームメイトだったGK早川友基(3年=桐蔭学園高)も「僕が後ろから指示する前に動いてくれる。当時からゲームを読む力が長けている。何よりクレバー」と絶賛した。

 もっとも、常本も自信満々にプレーしている。開幕から全試合に出場。ここまでリーグ戦1ゴール1アシストを記録し、21日の中央大戦では試合終了間際にMF大久保智明(3年=東京Vユース/浦和内定)が迎えた決定機を阻止してみせた。

「後期の目標としては、前期の失点5を下回ること。前節1失点している中で、ゼロで行こうという気持ちで臨みました。どこのチームも打倒明治で来ている。そこは楽しみながらチーム全体としてやれている。早く優勝を決めたい気持ちはありますが、今は1試合1試合向かってくる相手を倒すだけだと思っています」

 今夏には松本山雅FCの練習にも参加。将来のプロ入りへの意識をより強めている。その中でも古巣である横浜F・マリノスは意識するチーム。「マリノスの試合は見ますし、自分もその中に入ってやりたいなというのはあります。明治に来て人間性を含めてサッカー選手として成長できていると思うので、それがどこまで通用するのか楽しみです」。

 身長173cmとCBとしては小柄なこともあり、将来的にはSBで勝負していきたい思いも強い。今でも練習でのクロス練習は欠かしておらず、感覚を忘れないように心がけている。しかしCBと両方できるということは何よりの武器になる。“最強明治”を支える守備の要は成長スピードを止めない。

(取材・文 児玉幸洋)
●第93回関東大学L特集

TOP