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[関東]昨季リーグ戦出場は1試合…「大学で苦しんだ」法政大DF白井陽貴が掴んだ長崎内定

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DF白井陽貴

「DFリーダーとして引っ張って行こうと思ってやっている」。法政大で4年生になったDF白井陽貴(4年=矢板中央高)は、そう力強く語っていた。法大は22日の東洋大戦で後半37分に生まれた白井の決勝点によって、今季初勝利を逆転勝ちで飾った。

 プロ内定選手として今シーズンを迎えている白井だが、昨年は悔しいシーズンに終わっていた。リーグ戦の出場はわずかに1試合。それも途中出場が1試合で、総理大臣杯予選のアミノバイタルカップ、総理大臣杯、インカレを含めても出場数は片手で数えられるほどだった。

 しかし矢板中央高では下級生のころからDFリーダーとして地位を確立し、2年時に高校選手権4強、キャプテンとして戦った3年時も高校選手権8強。2年連続して同大会の優秀選手に選ばれた白井の才能を、Jクラブは追いかけ続けていた。

 大学進学後は法大の層の厚さに苦しむことになるが、昨年秋にも地元の栃木SCの練習に参加するなど、着実に評価もあげていた。そんな中で今春、V・ファーレン長崎がキャンプへの参加を要請。キャンプインの3日ほど前の急きょの連絡だったが、二つ返事で快諾した。

 キャンプではプレー面の長所であるロングフィードや身体能力を生かした対人能力。そして誰よりも声を出すことにこだわった。「自分の武器を最大限に出すことを意識していた」。オファーに繋がればという思いはもちろん持って臨んでいたが、一番は今の自分の力を出し切ることを強く意識したという。

 そしてその思いは確実に首脳陣に伝わっていた。帰京して間もなく、長崎から正式な獲得オファーが届いた。「コーチや監督にも相談しましたが、自分的にも長崎のサッカーが合っていると思ったし、とてもいいチームだと思いました。自分もそこでサッカーをしたいと思ったので、選ばせていただきました」。

 獲得に踏み切ってくれた長崎のためにも、結果を残さないといけないという思いを強くする。「高校までは常に自分が試合に出て、活躍して、良い思いをしてきたけど、正直、大学サッカーは苦しみました。その中でも目をつけてくれた長崎さんには感謝していますし、注目してもらえる環境を作ってくれた法政にも感謝しています」。今年こそ、大学リーグでその実力を見せつける。

(取材・文 児玉幸洋)
●第96回関東大学L特集

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