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[デンチャレ]九州リーグ得点王の実力…韓国人FWベ・ジョンミン「Jリーグでプレーしたい」

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得点を決めたFWベ・ジョンミン

[2.21 デンチャレプレーオフ 九州選抜2-2北信越選抜 J-GREEN堺]

 高い身体能力を生かした得点シーンだった。1-1で迎えた後半22分、九州選抜は右サイドのスローインの流れからゴール前で生まれた浮き球にFWベ・ジョンミン(九州産業大3年=駒大苫小牧高)が反応。胸トラップで受けると、倒れ込みながら右足ボレーを蹴り込み、勝ち越し点を奪った。

「胸トラップからのシュートを普段の練習から意識しています。シュートで終わろうと思って打ったら入ったという感じです」。チームは終盤に追いつかれてドローに持ち込まれたが、個人として昨年度の九州リーグ得点王は、その実力を存分に見せつけた。

 韓国・済州出身。中学までを母国で過ごし、高校進学と同時に日本にやってきた。高校の進路選択に迷っていたころ、親戚から提案を受けたことをきっかけに、話は一気に進んだ。場所は北海道苫小牧。「日本語も学べると思ったし、サッカーも出来るということだったので」。縁もゆかりもない日本での生活はこうしてスタートした。

 ただ今では方言交じりの日本語を流ちょうに操るが、来日当初はコミュニケーションを取るのに苦労したという。「日本語の勉強は全くしていなかったし、行ったらどうにかなると思って来ましたけど(笑)、1年目は本当に苦労しました。でも先輩と話をしたり、授業を聞いていたら、聞き取れるようになったし、喋れるようになりました」。

 大学も日本で進学しようと考えたベは、色々な大学のセレクションを受けたが、「一番成長できる」と感じた九州産業大に進むことを決めた。入学したばかりのころはなかなかトップの試合に絡むことが出来なかったが、2年生の時に新人戦で初の九州王者となり、全国3位を経験。これをきっかけに翌年のリーグ得点王獲得という大きな飛躍に繋げた。

 自信をつけたことで、「プロサッカー選手になりたい」という思いを強めている。「Kリーグで呼ばれれば行くつもりですけど、今はJリーグでやってみたいという思いが強いです」。そのためにも他の選手同様に、Jクラブのスカウトが集結する今大会を重要視している。

「就職活動だとチームでも言われている。ここで活躍してプロに行くことを目標にしている。夢は韓国代表としてW杯に出ること。そのためにも頑張りたいです」

(取材・文 児玉幸洋)
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