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[MOM855]関東選抜A DF長澤シバタファリ(関東学院大3年)_3年前は想像「できませんでした」という現在地。大器が迫力ある動きに加え、ミドル弾も

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関東選抜Aの右SB長澤シバタファリ(関東学院大3年=東京武蔵野シティFC U-18)が迫力ある動き。ミドルシュートを決めた

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[2.28 デンチャレグループA 関東選抜A 3-1 日本高校選抜 ひたちなか市総合運動公園スポーツ広場1]

 東京武蔵野シティFC U-18から関東学院大へ進学した3年前、現在の自分を「(想像)できませんでした」と振り返る。同時に「でも、いつかデカくなってやろうと思っているので、そこは(これからも)ブラさずにやっていきたいと思っています」と宣言した。関東選抜Aの186cm右WB長澤シバタファリ(関東学院大3年)が、デンソーカップチャレンジ初戦で推進力のある動きを披露。左足ミドルも決めて逆転勝ちに貢献した。

 立ち上がりにセットプレーから失点。それでも、関東選抜Aはタレントたちが高校生との差を生み出していく。その中で、長澤は「(高体連出身ではないが、)選手権とか見て(高校選抜の)レベルが高いのは分かっていたので。相手がチャレンジャーとしてやってくる中で自分も同等のプレーをして、負けないんだぞと見せたいと思ってプレーしていました」。そして、「(見て欲しいところは)ダイナミックさですね。そこは自分の取り柄でもあるので、そこは注目してもらいたいです」という武器を前半から存分に発揮していた。

 右WBの長澤と左WB今野息吹(法政大3年=三菱養和SCユース/G大阪内定)の前への力が、相手を押し下げる要因の一つに。「WBは運動量を増やしてどんどんゴールに向かって行くプレーをするというのはチームの中で決まっていたので、それは出せて良かったと思います」。ねじ伏せるように前進。そして、守備面では対応がやや遅れるシーンもあったが、味方のサポートも受けながら相手のサイド攻撃を封じていた。

 後半3分にはファインゴール。セカンドボールを拾ったMF山内翔(筑波大3年=神戸U-18/神戸内定)からのパスを右中間で受けると、コントロールから左足ミドルを左隅へ叩き込んだ。「パスが入った時点で相手のバランスが見えていて、止めた時にコースが空いたのであとは振り抜くだけでした」。関東大学リーグ2部の東京学芸大戦でハーフウェーライン付近からロングシュートを決めた経験の持ち主。「GKの位置は結構見るようにしていて、それが上手くいった」と日常から意識していることがゴールに結びついたことを明かしていた。

 最後は3バックの一角を務めて勝利に貢献。関東選抜Aは、すでに24年のJクラブ内定を決めている選手や年代別日本代表選手の名が並ぶ。「こうやってデンソーAにも入ることができて、日々刺激を受けることばかりなので、周りからの刺激を受けながらどんどん成長できているので、素晴らしい経験をさせてもらっています」と言うように、タレントたちの中で貴重な経験が出来ているようだ。

 長澤は東京の強豪、東京武蔵野シティFC U-18時代に主将を務め、関東学院大1年時にデビュー戦ゴールを記録。ルーキーイヤーに関東大学リーグ2部新人王を獲得したDFは翌年、関東大学選抜で活躍し、U-20日本代表候補に抜擢された。

 だが、その代表候補合宿を負傷辞退。「初めての代表で凄く嬉しかったんですけれども、同時に悔しかったので、もう一度そこに呼ばれたいという思いでいるので、そこは継続して頑張ります」。今年、関東学院大ではアンカーも経験。Jクラブも注目するDFは、今回の経験も活かしてより強みの出るサイド、中央のポジションでも「どこでやっても戦える選手に」なることを目指す。

「大学に経験を持ち帰って、チームで1部に上がることと、総理大臣杯に出ることを近い目標としてやっていきたいです。そして、選手としても成長して、プロの舞台に立ちたいと思っています。自分はプライベートでも、サッカーでも、人を喜ばせるのが結構好きなので、自分のプレーを見て喜んでもらいたいと思っている。そして、一番は感謝の気持ちを表現できるようなプレーヤーになりたい」。ブラジルにルーツを持つ大器。成長を続け、この3年間で高まった目標をまた一つ一つクリアしていく。

(取材・文 吉田太郎)
●第37回デンソーカップチャレンジサッカー茨城大会特集

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