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[MOM873]明治大MF佐藤恵允(4年)_勝ち点ゼロからの再出発、キャプテンマークを巻いて2発

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MF佐藤恵允が2得点で逆転勝ちに導いた

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.13 関東大学L1部第5節 中央大1-3明治大 中央大G]

 “仕切り直し”となった一戦で、エースとしての役割を果たした。勝ち点はく奪により最下位となった明治大は中央大と対戦。前半23分にMF田邉光平(4年=名古屋U-18)に鮮やかなFKを決められて先制を許したが、後半に猛反撃をみせると、40分にMF佐藤恵允(4年=実践学園高)が倒されて獲得したPKを自ら決めて同点とする。

 さらに3分後にはカウンターからMF中村草太(3年=前橋育英高)が決めきって試合をひっくり返すと、終了間際の後半アディショナルタイム5分には、左サイドを突破したDF阿部稜汰(4年=日章学園高)のクロスを佐藤が頭で合わせてダメを押す。“これぞ明治”と言わんばかりの逆転勝ちで、勝ち点3を積み上げた。

 文字通りゼロからの再出発となる。2年連続で学生審判員の登録者人数の不足を指摘された明治大には、今季これまで獲得した勝ち点のはく奪という前代未聞の処分が下った。過去5年で3度の関東リーグ優勝を飾る名門の失態は、大きな衝撃を与えた。佐藤も「本当にあるべき姿ではないことが起きてしまった。自分たちが100%悪いことなので」と反省する。

 ただ、こういう時だからこそ、「明治らしさ」を体現したかったとも振り返る。この日は主将のDF井上樹(4年=甲府U-18/甲府内定)がベンチスタートのため、副キャプテンを務める佐藤がキャプテンマークを巻いた。精神的にもチームの先頭に立ってプレーした背番号10は、「サッカーに影響するということになってしまうと、それも明治らしくない。やるしかないという感じで、みんなで前を向いて戦えたと思います」と話す。

 注目の進路については「夏秋くらいには決めたい」とじっくりと見定めている段階のようだ。「自分は最終的にヨーロッパで活躍するという目標があるので、その目標を逆算して決めたい」。他大の同学年選手が特別指定選手としてJデビューを飾っているが、そこについても「焦りはない」と強調。「今の明治の活動をやっていれば、特別指定で行っている選手よりも、成長できる環境があると思っている。そこでやるだけだと思います」と足元をみつめた。

(取材・文 児玉幸洋)
●第97回関東大学L特集

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