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[関東2部]慶應義塾大・中町公祐新監督「ソッカー部に拾ってもらった恩がある」次戦は早慶戦「兵藤には負けられない」

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慶應義塾大の中町公祐監督

[4.14 関東大学L2部第2節 立正大2-2慶應義塾大 立正大G]

 開幕連勝を目指した慶應義塾大だが、立正大と2-2で引き分けた。前半11分に先制点を許すなど、2度のビハインドを追いついての同点劇。中町公祐監督は「自分たちのやってきたことということで、ベースは出せた。不運な失点でしたけど、やることは変わらずに(やって行こう)という感じです」と及第点の評価をした。

「プロの指導者という道は考えていません。でも僕には湘南で戦力外になって、ソッカー部に拾ってもらった恩がある。このソッカー部での時間がなければ、ここまでのキャリアを歩めなかった。恩返しというところと、学生たちと時を過ごすことが自分の人生でも意味があるという思いに至ったので、決断しました」

 中町監督は2004年に高崎高から湘南ベルマーレに入団してプロキャリアをスタートさせたが、08年に退団して、高卒と同時に入学していた慶大で再出発を図った。そしてソッカー部で2年を過ごすと、10年からアビスパ福岡でプロキャリアを再スタート。12年からは横浜F・マリノスで活躍した。19年からはザンビア共和国でのプレーを選択。そして今年1月に現役引退および、慶大ソッカー部の監督就任を発表していた。

 38歳で迎えた分岐点。これまで指導者のキャリアに興味を持たなかった中町監督だが、母校にはいつか恩返しがしたいと思っていたという。「タイミング的にはここだったかなと思います」。自ら望んで渡ったザンビアで打った現役生活のピリオド。「やり切ったかは分からないけど」と苦笑いで振り返るが、区切りをつけて帰国することを決めた。

 監督と呼ばれることは望んでいない。「学生からもマチさんとか呼ばれてます。僕はサッカーを生業にしてから、楽しさという感情を持ち合わせてこなかったけど、こうやって限られた時間の中で学生たちが青春を謳歌しているのを目の当たりにするのは、いい気分ではありますね」。

 ただ“監督”としての結果はしっかりと出したいと考えている。次戦4月28日の第3節は早稲田大戦。3年ぶりとなるリーグでの早慶戦は、同い年で横浜FMでも一緒にプレーした兵藤慎剛監督との初対決になる。「勝ちますよ。兵藤には負けていられないので」。ニヤリとした中町監督は、「3部2部を戦うチームじゃない?当然そこに対する自信は持っています」と名門復活を約束した。

(取材・文 児玉幸洋)

●第98回関東大学リーグ特集
児玉幸洋
Text by 児玉幸洋

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