beacon

新チーム結成後初めてリード奪われた明大、連続無敗がついにストップ!(明治大vs駒澤大)

このエントリーをはてなブックマークに追加

[6.20 関東大学1部L第11節 明治大 0-1 駒澤大 西が丘]

 第84回関東大学サッカーリーグ1部は20日、前期最終節を行い、9勝1分で2位に勝ち点10差をつけて優勝争いを独走する明治大が2位の駒澤大と対戦。後半18分に献上した1点を挽回することができず、0-1で敗れた。

 昨年度の全日本大学サッカー選手権(インカレ)1回戦で仙台大をPK戦の末に下してから日本一に輝いたインカレ、関東1部リーグ、総理大臣杯関東予選と公式戦16試合連続無敗を誇っていた明大についに黒星がついた。ともにジュビロ磐田入りが内定しているMF山田大記主将(4年=藤枝東高)とMF小林裕紀(4年=ヴェルディユース)を中心にボールを動かすものの、神川明彦監督が「3人目の動きが足りなかった」と振り返った明大は、駒大の守備ブロックの中に入り込むことができず。なかなか相手守備陣を攻略できないでいると、逆に後半18分にDFラインがCB林堂眞(3年=習志野高)からの縦パス一本で裏を取られ、184cmの快足ストライカー、FW棗佑喜(4年=丸岡高)に先制ゴールを決められてしまう。

 新チーム結成後、公式戦で一度もリードを許したことのないチームが初めてリードを許した。初めて試される劣勢を跳ね返す力。ボランチの宮阪政樹(3年=F東京U-18)に代えてアタッカーのMF三田啓貴(2年=F東京U-18)を投入するなど攻撃姿勢を強めた明大は27分に山田が個人技でDFを剥がしてシュートを打ち込むなどチャンスもつくったが、「ディフェンスが本当よくやってくれた」と話すGK岡大生(4年=清水商高)とDF金正也主将(4年=神戸科学技術高)を中心に守る堅守・駒大はミスを犯さない。
 突っかけてくる相手を複数の選手が挟み込み、ボールを奪うと大きく前線へと蹴りだしていく。「データを見てもらえればわかりますけれど、ウチの得点は相手の半分(第10節終了時点、明大は23で駒大は11)。でも自分たちなら、1点取れば勝てるとみんなに言っていた」と金主将が胸を張ったとおり、駒大は粘り、耐え切って1-0で試合終了。「打倒・明大」を掲げ、この一戦の勝利に強いこだわりを見せていた駒大の選手たちが大喜びする中、明大は新チームにとって初めてとなる公式戦敗戦を味わった。

 ただし、勝ち点7の大差をつけてシーズンを折り返した明大にショックは意外なほど少ない。山田主将は「相手が挑んできてくれることは光栄なこと。自分たちもチャレンジャー精神を忘れずにやっていきたい。きょう、初めて先取点を取られて、負けも経験することができた。これをきっかけによりいい試合をするのか、自分たちをあげていくのかことができるのかはこれから示さないといけない」。天皇杯でJ1・山形を破り、大学日本一に輝いたメンバーのほとんどを残す今年。圧巻の守備力と勝負強さを備えるチームは初黒星で崩れるのか、それとも反省を活かしてより隙のないチームとなるのか。その真価は7月4日に開幕する総理大臣杯の全国大会で試される。

(取材・文 吉田太郎)

TOP