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[総理大臣杯]中京大が昨年優勝の福岡大から大金星!!FW永井、準々決勝で姿消す

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[7.6 総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント準々決勝 中京大 1-1(PK3-2)福岡大 長居第2]

 第34回総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント準々決勝、大阪・長居第2陸上競技場の第1試合では、W杯南アフリカ大会日本代表のサポートメンバーであるFW永井謙佑(福岡大4年=九州国際大付高、ヴィッセル神戸特別指定選手)擁する前年王者・福岡大(九州1)が1-1で突入したPK戦の末、3-5で中京大(東海)に敗れ、準々決勝で姿を消した。

 試合はいきなり動く。前半3分、永井とMF假屋健太(3年=神村学園高)のワンツーから福岡大が左CKを獲得。MF長谷慎司(3年=国見高)の上げたボールに合わせ、永井がバックステップで相手DFの裏に入ると、フリーの状態でヘディングシュート。これが中京大ゴールを破り、先制に成功する。早い時間に得たリードで勢いづいた福岡大は、永井やFW清武功暉(2年=大分U-18)を中心に、次々と相手PA内へと仕掛けていく。

 一方、先制された中京大は、1点ビハインドの状況にも「90分間で戦おうと思っていた」(西ヶ谷隆之監督)と動きはみせない。PA内で、時には5人で最終ラインを形成。一切攻めの姿勢を見せることなく、とにかく福岡大の攻撃に耐える。27分には、カウンターから永井に飛び出され、あわや失点の場面も、わずかに枠外。運も味方に、一貫して守備に徹した。
 すると、時間が進むにつれて試合の流れは徐々に中京大へ。ゴール前を固められ、思うように攻め切れない福岡大はしびれを切らして、リズムを崩していった。

 そして迎えた後半8分、試合は動いた。中京大のカウンターのチャンスに、抜け出したDF中田智久(3年=中京大中京高、前・ヴィッセル神戸)が倒され、PA前中央からのFKを獲得。これをMF中村亮太(2年=中京大中京高)がグラウンダーで直接決め、同点へと追い付く。怒涛の攻撃を見せていたにもかかわらず、追いつかれた福岡大は勝ち越しを狙って必死の攻撃を見せるも、なかなかゴールラインを割ることが出来ない。
 対する中京大はその後も戦い方を変えずに守備一貫。90分間では勝負がつかず、10分ハーフの延長戦へと入ったが、ここでも両者譲らず。試合は今大会初のPK戦へと持ち込まれる。

 先攻は福岡大。1人目のキッカーであるゲーム主将のDF牟田雄祐(2年=筑陽学園高)に続き、2番手のMF田中智大(2年=福岡U-18)も中京大の守護神・GK石川湧也(2年=前橋育英高)に止められてしまう。対する中京大は、FW藤牧祥吾(3年=清水ユース)、この日誕生日のDF小川真司(3年=東海学園高)が落ち着いて決め、2-0。そして、3-2と中京大リードで迎えた5人目、福岡大・最終キッカーは永井。初戦に続きゴールを挙げたエースも、PK戦ではこの日好セーブを連発した石川に止められた。その瞬間、福岡大の敗退が決定し、中京大は喜びを爆発させた。 

 先制ゴールを決めた永井だったが、南アフリカからの帰国直後の連戦の疲れからか、この日は運動量も少なく、試合を通して持ち前のスピードを活かすことは出来なかった。「最初に点が取れたのは嬉しかったけど」と悔しい表情。「冬の南アフリカから、すぐに夏の大阪は、かわいそうだった。もっと計算して使ってあげれば」と乾真寛監督からの言葉があったが、注目FWは今後へ向けて「もっとしっかり90分間戦えるようにしていきたい」とすぐに前を向いていた。

(取材・文 片岡涼)

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