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全日本大学選抜、泉澤が延長戦終了間際の劇的弾!!日韓定期戦に勝利

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[3.25 デンソーカップ第9回大学日韓(韓日)定期戦 日本2-1(延長)韓国 国立]

 デンソーカップ第9回大学日韓(韓日)定期戦が25日に東京・国立競技場で行われた。全日本大学選抜は全韓国大学選抜と対戦し、延長戦の末に2-1で勝利し、日本が優勝を果たした。後半13分にMF椎名伸志(流通経済大2年=青森山田高)のゴールで先制するも、同24分にセットプレーから失点。U-20韓国代表MFナム・スンウにシュートを決められた。試合は15分ハーフの延長戦に突入。延長後半ロスタイム1分、MF泉澤仁(阪南大2年=新潟ユース)が劇的な勝ち越し弾を決め、2-1で試合は終了した。定期戦になってから過去8回の対戦成績は3勝2分3敗の五分だったため、勝ち越しを狙っての一戦で堂々の勝利。通算の対戦成績は4勝2分3敗(日本開催:4勝1分)と勝ち越しに成功した。

 全日本大学選抜は4-4-2システムを採用。GK藤嶋栄介(福岡大2年=大津高)、最終ラインは右から今井智基(中央大3年=大宮ユース)、栗山直樹(専修大3年=清水東高)、車屋紳太郎(筑波大1年=大津高)、二見宏志(阪南大2年=奈良育英高)。ダブルボランチは谷口彰悟(筑波大2年=大津高)と茶島雄介(東京学芸大2年=広島ユース)が組んだ。2列目は右に仲川輝人(専修大1年=川崎F U-18)、左に長澤和輝(専修大2年=八千代高)。2トップは富山貴光(早稲田大3年=矢板中央高)と阪野豊史(明治大3年=浦和ユース)が入った。また、直前のインドネシア遠征で右膝前十字靭帯断裂の重傷を負ったDF廣木雄磨(東京学芸大1年=F東京U-18)だったが、本人の希望もあり、試合には出場できないもののメンバー入りを果たした。
 一方、全韓国大学選抜はロンドン五輪に出場するU-23韓国代表のGKノ・ドンゴンとFWパク・ヨンチが先発した。

 立ち上がりから互いに決定的な場面は少なく、ゴールは生まれない。前半3分、パク・ヨンチが左サイドからドリブルで仕掛けてくるが、クロスは今井が身体を張ってストップ。シュートまで持ち込ませない。日本は前半15分には富山、同18分には長澤がミドルシュートを放つもいずれも枠外。得点にはつながらなかった。同21分には中央の谷口が絶妙なスルーパス。仲川が抜け出すもわずかにつながらない。それでも、ようやくパスをつなぐ日本らしい攻撃をみせた。

 その後はサイドから立て続けに押し込まれるが、守備陣が奮闘。前半28分にはパク・ヨンチが中央からドリブルで仕掛けようとするも、3人で囲むとボールを奪取。シュートを許さない。セットプレーからピンチの場面では、藤嶋が安定したセービングを披露し、しっかりとキャッチした。

 前半31分にはオーバーラップした今井が右クロス。ファーサイドでフリーの阪野がヘディングシュートを放つも、力なくGKに止められた。同38分にはゴール正面でパスを受けた阪野がミドルシュートを放つが強烈な一撃はクロスバーを直撃。0-0のまま前半を折り返した。

 後半開始と同時に日本は3人を同時に交代。長澤、仲川、富山に代えて、椎名伸志(流通経済大2年=青森山田高)、六平光成(中央大3年=前橋育英高)、泉澤仁(阪南大2年=新潟ユース)が入った。これに伴い、布陣を変更。阪野が1トップ、2列目には右から椎名、六平、泉澤が入った。

 なんとかゴールを奪おうと、後半立ち上がりから日本が奮闘。前線へ次から次へ選手が顔を出し、韓国の守備を崩しにかかる。すると後半13分、左サイド泉澤がゴールライン際から左クロス。ニアサイドで二見が粘ると、最後は走り込んでいた椎名が左足シュート。冷静にシュートを叩き込んだ。椎名のゴールで日本が待望の先制点を奪った。

 しかし、この1点を守り切りたい日本だったが、後半24分に失点。左CKからMFキム・ボンヨンが蹴りこんだボールにゴール前で競り負け、頭で落とされる。最後はこぼれを拾ったフリーのU-20韓国代表MFナム・スンウにゴール前から右足ダイレクトでシュートを許した。1-1と試合は振り出しに戻された。

 後半32分にはPA正面で茶島からのパスを受けた泉澤がミドルシュート。これはDFに阻まれた。獲得した右CKから展開し、こぼれを拾った車屋がシュートを狙うもクロスバー上方へ大きく外れた。その後もバイタルエリアでショートパスをつなぎ、勝ち越しを狙うがシュートはサイドネットへ外れるなど、得点にはつながらず。時間は過ぎていった。

 後半41分には二見が左サイドからロングスロー。放ったボールは距離を伸ばし、PA内ゴール正面まで届くが味方にはつながらず、GKに止められた。終了間際にはサイド攻撃で押し込まれ、ピンチを迎える。それでも、必死に戻った車屋がヘディングでクリア。あと一歩のところでしのぎ切った。ロスタイム2分には左サイドでFKを獲得。椎名が蹴りこんだボールは味方に合わず。最後は韓国のカウンターからピンチを迎えたが、なんとかクリア。1-1のまま決着はつかず試合は15分ハーフの延長戦にもつれ込んだ。

 延長前半は韓国ペース。開始4分、右CKからDFキム・ナムチュンに許したヘディングシュートはGK藤嶋がストップ。直後のワンプレーではMFユ・ジェホに中央からドリブルで攻め込まれる。DF2枚の間を割られ、PA内でGKとの1対1を迎えた。しかし藤嶋が冷静に止める。日本も谷口のスルーパスからチャンスメイク。左サイドへ抜け出した茶島が泉澤へ横パス。泉澤のシュートは止められた。延長前半終了間際の15分、左クロスからDFクォン・ワンギに頭で合わせられるも、シュートはクロスバーを叩く。1-1とスコアは動かず。延長後半に突入した。

 延長後半2分、日本は阪野に代えてFW皆川佑介(中央大2年=前橋育英高)をピッチへ送る。直後には左サイド二見のパスに抜け出した泉澤がPA左からシュートを打つも、GKに止められた。延長後半12分には日本のFKからセカンドボールを奪われると、カウンターからピンチを迎える。GKとの1対1になるかと思われたが車屋と栗山が必死に戻り、クリアした。同15分には左サイドを押し込まれ、シュートを許すがサイドネット。直後の右CKから許したヘディングシュートはクロスバーを叩いた。

 終盤の韓国の攻撃をなんとか凌ぐと、延長後半1分、劇的なゴールが待っていた。六平のパスからPA左で皆川がボールキープ。中央の泉澤へ折り返す。泉澤が冷静にGKをかわすと、DFを前にしながらもゴール前から左足シュート。土壇場で勝ち越しゴールを決めてみせた。このゴールが決勝点となり、日本が2-1の劇的勝利。ホームで優勝を果たしてみせた。

(取材・文 片岡涼)

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