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[全日本女子選手権]INAC神戸が3発勝利で連覇&2冠達成!!

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[1.1 全日本女子選手権決勝 INAC神戸3-0新潟レディース 国立]

 INACが連覇&2冠を達成!! 第33回全日本女子選手権は1日、東京・国立競技場で決勝を行った。前回大会覇者で今季のなでしこリーグを制したINAC神戸レオネッサはアルビレックス新潟レディースと対戦。前半44分にMF澤穂希の粘りからMF南山千明がシュートを決めて先制すると、後半6分にはFW高瀬愛実が追加点。同25分にはDF田中明日菜がダメ押しの3点目を決め、3-0で勝利した。貫録の完封勝利を飾ったINACはリーグ優勝に続く、2冠を達成した。

 27日に行われた準決勝から、ともに先発メンバーは変わらず。両チームを合わせて、9人の現役・日本女子代表選手が先発した。4-3-3のINACは、3トップに左から川澄奈穂美大野忍、高瀬となでしこジャパンの3選手が並び、中盤のアンカーには澤が入った。右SBは近賀ゆかり、左CBは田中、GKは海堀あゆみと7人の代表選手が先発した。一方、新潟は4-2-3-1システムを採用。MF阪口夢穂はダブルボランチの一角を務め、MF上尾野辺めぐみはトップ下に入った。

 攻めるINAC、守る新潟という展開が予想されたが、静かな立ち上がりとなった。新潟が今季の課題として掲げている2、3人でボールを囲んで奪取するという戦いを徹底。INACに自由なパス交換を許さずに、激しくボールを奪いにいく。しかし、バイタルエリアでのミスが続き、ボールを奪うもののシュートまではつなげない。

 一方のINACもここまでの試合でみせていたパスサッカーをみせることはできず。自陣内でのミスが続く。前半11分には自陣内で相手の厳しいプレッシャーを受け、澤がパスミス。これを奪ったFW菅澤優衣香にシュートを打たれるも枠を外れる。ピンチの場面も、なんとか救われた。

 思うようなプレーがみせられないINACだったが、前半22分にはチャンスを演出。高瀬のパスに大野が左サイドへ抜け出すがトラップが大きく、シュートは打てない。同32分にはMFチ・ソヨンのスルーパスに川澄が左サイドへ抜け出す。DFを突き放し、GKとの1対1に持ち込んだが、新潟GK大友麻衣子が顔面セーブ。相手守護神の好セーブもあり、1点が奪えなかった。

 しかし、スコアは動かずに迎えた前半39分、敵陣内センターライン付近で上尾野辺が田中と競り合った際に頭を負傷。担架で運ばれる。田中も頭を打ち、治療のためにピッチを出た。10人対10人でゲームは進む。そして、頭にバンテージを巻いた上尾野辺と田中がピッチに戻った直後の同44分だった。パスを受けた大野がPA外正面で倒され、FKを獲得。ゴールまで距離のある位置でのFKをソヨンが蹴り込むと、ゴール前左で澤が詰める。こぼれたボールをMF南山千明が押し込み、シュート。INACが先制に成功し、1-0で前半を折り返した。

 後半に入ると、徐々にINACが持ち前のパス回しでリズムを作り出す。すると後半6分、右サイドから仕掛けた南山が右クロス。ファーサイドのDF口木未来がクリアしたボールをゴール前に詰めていた高瀬が右足ダイレクトで叩き込んだ。INACが2-0とリードを広げた。

 さらに後半25分には3点目。川澄の左CKからシュートコーナーで受けたソヨンが左クロス。これに合わせたのが田中だった。ファーサイドで一瞬でDFの前へ入り込むと、バンテージを巻いた頭で渾身のヘディングシュート。3点差に突き放すゴールを決めた。3点リードの同35分には、南山に代えて、今季限りでの引退を表明しているFW米津美和がピッチに送られた。
 
 一方、一気に差を広げられた新潟だったが、諦めることなく必死にゴールをめざす。途中出場のFW平井咲奈が右サイドから幾度もドリブルで仕掛けた。同27分にはPA内右まで切れ込み、シュートを放つも、サイドネットへ外れた。その後もロングボールに抜け出し、GK海堀との1対1からシュートを狙うも決めることはできず。1点が遠く、無得点のままに時間は過ぎていった。

 終了間際にもINACはチャンスを演出。ロスタイム2分には、川澄の左クロスにファーサイドの米津が頭で合わせたが、わずかにポスト左へ外れた。そのまま試合は終了。INAC神戸が3-0の完封勝利を飾り、連覇を達成した。

(取材・文 片岡涼)
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