スウェーデン代表FWズラタン・イブラヒモビッチのミランからパリ・サンジェルマンへの移籍は、今夏の移籍市場で大きな注目を集めた。PSGのレオナルドSDは「完璧な補強だ。ズラタンはチームのレベルを引き上げ、クラブのイメージを変えてくれるはずだ。メッシやロナウドもいいが、イブラヒモビッチとは比べられない」と新戦力のベテランFWに期待を寄せる。その期待に応えるようにイブラヒモビッチはリーグ1でゴールを量産。最近4試合で5得点と結果を残している。

　欧州CLの公式マガジン『Champions』誌の独占インタビュー内でイブラヒモビッチは、新天地・PSGの第一印象について「とてもエキサイティングだ。僕にとっては何もかも新鮮。また、クラブそのものも新鮮な時期を迎えている。このクラブは大物や非常に優秀な選手たちを獲得して、強力なビッグクラブになりつつあるわけだから。そして大きなタイトルを手にしたいと願っている。彼らには大きな夢があり、僕もその一部になれてうれしいよ」と話した。PSGは今夏にDFチアゴ・シウバ、FWエセキエル・ラベッシ、MFマルコ・ベラッティらビックネームの多くを獲得。クラブとしての変革期に、その一員となれたことを喜んだ。

　またPSG行きを決断した理由については「彼らの夢は実現可能だと信じている。その一部になりたかったんだ。大物選手を集めていて、ビッグチームをつくろうとしている。フランスのリーグはますます魅力的でエキサイティングになるし、レベルも上がるだろうね。誰だってそれに加担したいと思うはずだ。ミランについてはいい思い出しかないけど、未来はここにある。僕はそう信じているよ。だからパリへやって来た。他にどこへ行けと言うんだい?」と力説した。

　欧州CLでグループAに入ったPSGは、18日に初戦を迎え、ホームでディナモ・キエフと対戦する。「PSGがチャンピオンズリーグ優勝を果たせると信じていなければ、ここに来ていなかったよ」と話す通り、イブラヒモビッチは欧州CLのタイトルを手にしたことはなく、もちろんCL制覇は移籍の目的のひとつだ。しかしながら「トロフィーは偉大な選手たちとプレーして初めて手にできるもの。僕がたくさんトロフィーを手にできたのは、僕を助けてくれた偉大な選手たちと一緒にプレーできたからだ。このクラブにも、偉大な選手たちが周りにいる。ビッグタイトルは自分の力だけで獲得できるものではないんだ。それは間違いないよ」と冷静に話した。

「年を追うごとに選手として成長している。セリエAで得点王になり、ミランのシーズン最多得点記録も更新した。でも、チームタイトルは獲得できなかった。『自分は幸せか?』と自問したんだ。自分の調子は良くてもタイトルを手にできないなら、自分の調子が悪くてもタイトルを獲得できた方がいい。それが僕のメンタリティーさ」。そう話す30歳のストライカーは、誰よりも新天地でのタイトル獲得を望んでいる。