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ルーニーを絶賛する両監督 「そろそろ決着を付けるべき」

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[8.26 プレミアリーグ第2節 マンチェスター・U0-0チェルシー]

 マンチェスター・ユナイテッド対チェルシーという今節最大の注目を集めた一戦はスコアレスドローに終わった。

 見どころはいくつかあった。ユナイテッドの今季ホーム開幕戦、つまりデイビッド・モイーズ監督のホーム初陣であるということ。また、チェルシーに復帰したジョゼ・モウリーニョ監督が昨季のプレミア王者とどう戦うのかというのもポイントだった。

 だが、試合後の記者会見で何よりも集中したのはFWウェイン・ルーニーの話題だった。

 この日のルーニーは上々の出来で、攻撃では起点をつくりながらフィニッシュまで持って行き、守備では献身的なプレーを見せていた。ルーニーといえば、昨季終盤にアレックス・ファーガソン前監督が移籍願望を明かしたり、エバートン時代には当時のモイーズ監督を批判して訴訟にまで発展したり、また、今夏のアジアツアーも負傷のため途中で帰国しているということから、移籍関連の憶測を呼びやすい状況にあった。それだけに、ユナイテッドの10番の去就はこの夏、プレミアリーグ最大の関心事だったのだ。

 だからこそ、この日、モイーズ監督はルーニーについて多く話すこととなった。そのプレーについては「パフォーマンスをとてもうれしく思う。期待していなかったわけではなく、期待していたとおりに」と称えた。「60分か70分で交代させる予定だと話していたのだが、献身的にプレーしてくれた」。そして「彼は素晴らしいトレーニングをして少し引き締まっている。彼は今、前向きに取り組んでいると思う」とひたすら褒め称えた。このチームに彼が必要不可欠だと言わんばかりに。

 モイーズ監督が会見場を退室した直後、今度はモウリーニョ監督が登壇し、ルーニーについて語った。チェルシーはルーニー獲得に名乗りを上げていることもあり、話は明確かつ熱のこもったものだ。

「私たちのクラブは、ユナイテッドのようなビッグクラブが売る気がないのに獲得しようとするほど愚かではない。だが、この話はそろそろ決着を付けるべきときだ」

 しびれをきらしたように話し、そしてモウリーニョ監督もこの日のパフォーマンスに言及した。

「一番重要なのは、ルーニーが良いプレーをしたということだ。彼はクラブのために戦い、勝利を求め、得点を狙っていた。今は、彼がクラブを離れたいのなら、そう言うべきときだ。そんな難しい状況下で素晴らしいプレーをした彼を称えたい」

 ルーニーを大絶賛し、獲得を熱望するモウリーニョ監督だが、もう一言付け加えることも忘れなかった。「もし彼が来なかったときのために、他の選手に近づいている」。先週、英国内の報道ではFWサミュエル・エトーらの名前がすでに挙がっているが、果たしてだれなのだろうか。9月2日に今夏の移籍市場は閉じる。それまでの最後の盛り上がりは、試合そのものよりも白熱の様相を呈している。

(取材・文 了戒美子)

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