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セビージャ、ホーム無敗記録は34でストップも…観衆は選手たちに喝采

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 2日のリーガエスパニョーラ第35節、セビージャは本拠地サンチェス・ピスファンでのレアル・マドリー戦を2-3で落とした。セビージャがピスファンで敗戦を喫したのは、実に35試合ぶり。昨年2月にバルセロナに敗れて以来のこととなった。

 マドリーを迎えたこの一戦では、MFグジェゴジュ・クリチョビアクが負傷でピッチ外に出ている9分の間に2失点。だがピスファンの観衆の後押しを受けたチームは、その後もあきらめなかった。前半終了間際にはMFアレイクス・ビダルがペナルティーエリア内でDFセルヒオ・ラモスに倒されてPKを獲得し、キッカーのFWカルロス・バッカの得点で1点差に詰め寄る。

 後半には68分にFWクリスティアーノ・ロナウドのハットトリック達成となるゴールを許して再度2点差とされるも、79分にビダルの折り返しからMFビセンテ・イボラがネットを揺らし、最後までマドリーに食い下がった。

 試合終了後、ときには辛辣な批判を浴びせることで有名なピスファンの観衆は、最後まで戦い抜いた選手たちに喝采を送り、選手たちはセンターサークルに集まってそれに応じた。ピスファンの無敗記録が途絶えたこの日も、アンダルシアの雄の誇りを失われなかった。その証拠にバッカは、415日ぶりの敗戦が「チームを強くするもの」であったことを強調している。

「彼らは僕たちが10人となった時間帯を生かし切った。だけど、それは言い訳にならない。僕たちは最後の最後まで戦い抜き、試合終了まで可能性を手にしていた。この敗戦はチームをより強くするものだ。僕たちは強大な相手を前に、真っ向から勝負を挑んだんだ」

 この試合でPKを決め、リーガ得点数を20の大台に乗せたバッカ。PKの場面ではコロンビア代表でチームメイトのMFハメス・ロドリゲスがGKイケル・カシージャスにPKを蹴る方向を教えたが、このマドリーGKが聞く耳を持つことなく逆の方向に飛んだことで、ボールは枠内に収まった。

「もう一度ゴールを決められたが、何かの助けになったわけではない。僕はチームの勝利を助けるために、ゴールを決めることを望んでいる。とにかく、これから休みを取って、次の決勝戦に備えたい。このまま前へ進み続けられることを願うよ」

 各試合を決勝戦と捉えるセビージャが目指すのは、チャンピオンズリーグ出場権獲得。それを手にする方法は、準決勝まで到達したヨーロッパリーグ(EL)優勝かリーガで4位以内に入ることだ。MFホセ・アントニオ・レジェスは、その両方の可能性を生かし切る意欲を語っている。

「観衆の後押しを感じることができたが、うまくいかなかった。サッカーはときに不当なものであり、ペナルティーエリアに3回到達され、その3回すべてで失点を許すこともある。だけど、チームは最後まで戦ったんだ。もう一度ファンに歓喜をもたらせることを願っている。まだ獲得できる勝ち点は残っているし、可能性がある限り戦い続けたい。EL、リーガと二つの道を進んでいくよ」

 バッカ&レジェス同様、イボラも「もし負けるならば、今日のように前のめりで倒れなくてはならない。すべてを出し尽くし、最後まで戦ってね」と敗戦を最後まで受け入れなかった姿勢を強調する。そのような選手たちの気持ちを、最も簡潔かつ明確に表現したのはMFエベル・バネガだろうか。セビージャの中盤の要は、「結果以外のことは何も変わらなかった。このチームは誇りだ」と大きく胸を張っている。


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