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16歳ラツィオファン、ローマMFと面会して人種差別を謝罪 選手は「彼の勇気に感謝」

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 人種差別は絶対に許さない。だが、ローマMFウィリアム・バンキュールは、自身の『インスタグラム』で「猿」と罵倒してきた少年を許した。そして、直接謝罪をしに来た少年を、彼は称賛した。

 3日に行われたラツィオとのダービーマッチを負傷で欠場したバンキュールは、チームが4-1と快勝し、試合後に『インスタグラム』で仲間たちと勝利を祝った写真を公開した。すると、コメント欄に「猿」と心ない投稿が寄せられる。

 猿の絵文字つきで送られてきた差別発言に、当然、バンキュールは怒りを見せた。「今日まで『猿』というイタリア語を知らなかったよ。このラツィオからの“サポート”に感謝する」。皮肉を交えつつ、だが「NoToRacism」というハッシュタグをつけ、悲しみを訴えた。

 翌日、バンキュールは再び『ツイッター』で投稿。差別発言をした人物から謝罪が届いたことを明かし、「謝罪は受け入れる。でも、もう二度とするな」とさとした。

 差別発言をしたのは、16歳の少年だった。少年は7日、父親と一緒にナポリからローマへと向かう。目的地は、ローマが主催する子供たち向けのイベント会場だ。人種差別反対など、スポーツの価値を子供たちに教えることを目的としたこのイベントには、バンキュールが出席していた。

 シモーネ少年は、「猿」と罵倒したバンキュールに直接会い、改めて謝罪した。ソーシャルネットワークで謝罪を受け入れていたバンキュールも、改めてシモーネ少年を許した。一緒にセルフィー(自撮り)をし、2人は和解したのだ。

 バンキュールは、シモーネ少年の行動を評価している。ローマの公式ウェブサイトが、選手のコメントを伝えた。

「最初は、みんながこのことを考えるようにとシモーネに反論した。今日は彼と、彼をここまで連れてきてくれたお父様に感謝している。彼らが示した勇気に感謝しているよ」

 シモーネ少年はイベントに集まった子供たちに、自分と同じ過ちを犯してはいけないと呼びかけ、次のように述べている。

「ちゃんとバンキュールに謝りたかった。恥ずかしいよ。誰に対してでも、肌の色がののしる理由になってはいけない。サッカーでも、毎日の生活でも、こういうことがあってはいけない」

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