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韓国記者が語る“アジアの虎”。「日本には勝てる」と自信満々…その理由は?【アジアカップ強豪国分析】

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 アジアナンバーワンを決めるAFCアジアカップ2019が、いよいよ1月5日に開幕した。4回の最多優勝を誇る日本代表は、森保一監督のもと、2011年以来2大会ぶりの優勝を目指している。

 アジアの強豪が揃う大会で、日本代表が注意しなければならないライバル国を分析。今回は、ロシアW杯後にポルトガル人のパウロ・ベント氏を新監督に据えた韓国をピックアップ。『Goal』韓国版記者が“新星・アジアの虎”を展望する。

■ベント監督就任でスタイルは激変

 韓国代表はロシアW杯後にポルトガル人のパウロ・ベント氏は新監督に招へい。名門・スポルディングで指導者としてのキャリアをスタートし、10年の南アフリカW杯後に母国ポルトガル代表の指揮官に就任。14年のブラジルW杯ではグループリーグ敗退の憂き目に遭ったものの、世界でも名の知れた人物だ。

 『Goal』韓国版のアレックス・キム記者は、ベント監督の就任後、サッカースタイルが激変したと話す。

「チームは相手よりも多くボールを支配し、サイド攻撃に焦点を当てている。ベント就任後は7つの親善試合をこなしたが、90分間自分たちのプレースタイルを維持しており、ウルグアイ、チリに対しても敗れることはなかった」

 キム記者が話すように、韓国はベント就任後の7試合で南米のウルグアイやチリ、アジアカップでライバルになるであろうオーストラリア、サウジアラビアと対戦し、3勝4分けと無敗を維持。引き分けの多さは目立つものの、無敗でアジアカップを迎える。

 では、ベント体制となってから具体的に何が変わったのか?キム記者は「よりゴールにフォーカスをするようになった。特にベントは、チームがアジアのチームと対戦するうえで攻撃力を最大化したいと考えている」と分析。かつてクリスティアーノ・ロナウドら世界的プレーヤーを統率し、抜群のマネジメント力で12年のEUROでは4強に導いた手腕は確かなものであると手応えを感じているようだ。

 攻撃力の向上を意識する韓国代表において、注目すべき選手はやはり「ソン・フンミンで間違いない」とキム記者。11月に入ってからのリーグ戦11試合では7ゴール・5アシストと、大車輪の活躍。「彼はトッテナムがタイトルレースを争う上で大きな役割を担っている」とイングランドでの活躍に太鼓判を押す。

 一方で懸念材料もある。「彼はKFA(韓国サッカー協会)とトッテナムの間の交渉により、アジアカップはグループリーグ第3節から合流する予定となっている」ようで、「特にソンに関しては体力的な問題が懸念される」と、不安要素も挙げた。

 絶対的エースを欠くなかでの2連戦はまさに正念場。しかし、キム記者はその代役は「ファン・ウィジョで務まる」と楽観視。「彼は最高の選手だと思うね。アジア大会でそのクオリティの高さを示し、Jリーグでは16ゴールを叩き出した。彼がどれだけゴールを決めるかが序盤の2試合で非常に重要になる」と続けた。

■「日本には勝てる」。自信満々の理由は?

 韓国が優勝できるかどうかについては「私は韓国がトロフィーを獲得するのに最適な時期だと思う」と答え、その理由として「チームは、経験豊富な選手と新しい選手がバランス良く融合している。また、冗談半分に話すと、韓国は直近の3大会で3位が2回、準優勝が2回だった。これは勝者になるための時間だったと考えている」と話した。

 しかし、優勝するうえで避けては通れないのは強豪国との対戦。キム記者はビッグ4に「韓国、日本、イラン、オーストラリア」と掲げ、「イランはロシアW杯で非常に高いレベルを示した。オーストラリアは、フィジカル的な強度を有しており、近年選手も熟練してきた。日本は若いメンバーが揃っているが可能性のあるチーム」と評した。

 韓国メディアでは日本代表が大幅に若返ったことに注目しているようで「かなりのベテラン選手が除外されたことに驚いた」とし、特に「香川真司と岡崎慎司」が選外になったことに驚きがあったという。しかし「伝統的に日本はチームとしてよくオーガナイズされており、非常に強い」と称賛した。

 決勝トーナメントでは日本と韓国が対峙する可能性もある。キム記者は「正直なところ、韓国が勝つだろう」とズバリ。その理由は「韓国は今、非常にバランスのとれたチームであり、フランスのリーグ・アンでプレーするクォン・チャンフン、カタールのアル・ドゥハイルで10番を背負うナム・テヒがケガのため選出されていないが、それでも現在最高のチームであると断言できる」と自信を口にした。

 タレントが揃い、ベント監督の下、かつてない勢いでアジアカップに乗り込む韓国代表。5度目の戴冠を目指す日本にとっては、イラン、オーストラリアと同様に注意しなければならない相手だ。

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