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アトレティコ前主将ガビ、シメオネの哲学を力説「後退する守備で勝者になることは簡単じゃない」

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アトレティコ前主将がディエゴ・シメオネ監督に言及

 昨季までアトレティコ・マドリーの主将を務めた現アルサッドMFガビが、ディエゴ・シメオネ監督率いるアトレティコのプレースタイルについて語っている。

 シメオネ監督率いるアトレティコで、ピッチ上で同指揮官のフットボールを最も体現しているとされたガビ。スペイン『マルカ』とのインタビューに応じた同選手は、シメオネ監督からどのような指示を受けていたかを明かした。

「チョロ(シメオネ監督の愛称)からは、すべてに注意を払うよう頼まれた。相手の攻撃を摘む役割というわけではないけど、チームが攻撃を仕掛けているときには、守備の均衡を保つよう注意していたよ。そしてチーム全体が後退するときには、前へとプレッシングを仕掛けた」

「シメオネはチーム全体にプレー方法を浸透させていたし、僕たちは彼の姿を見るだけでプレッシングか後退のどちらを望んでいるかを理解できたんだ。シメオネは、そうしたフットボールを実践するために必要不可欠な存在なんだよ」

 ガビは現在アルサッドで、堅守速攻のアトレティコとは反対のチーム、バルセロナで中心的役割を担ったMFシャビ・エルナンデスとともにプレーしている。チャビはポゼッションフットボールの正当性を執拗に強調するが、ガビはそうした意見をどのように受け止めているのだろうか。

「彼と僕の考えはかけ離れているか? ノーだね。彼の言うことには全面的に同意する。彼がそうやって成功をつかんだことを理解しているからだ。彼は一つのプレースタイルを先導したのではなく、そのスタイルにおける最高の選手だった。一方で僕は、アトレティでそんな存在であったわけではないんだ」

「でも、彼ら(バルセロナ)にとって僕たちと対戦するのは難しいことだったのも確かだ。スペースも優位性も得られなかったわけだからね。二つのスタイルは異なるものだが、どちらにも価値があるし、だからフットボールは素晴らしいんだよ」

 ガビはポゼッションフットボールより堅守速攻のフットボールの方が難易度が低いという世間一般の考えを、真っ向から否定する。

「フットボールは、擁している選手たちから最高の結果を引き出すものだ。ポゼッションやスペースを手にする上で素晴らしい、見栄えのいい選手たちを擁していても、あまり勝てない場合だってある。片やアトレティコのように後退する守備を行うことも簡単ではないんだ。そういうプレーを見せながら勝つこと、強大なチームになることは難しい」

 かつて「僕はフットボールの選手になりたかったんじゃない。アトレティコの選手になりたかったんだ」と語っていたガビだが、現在はやはり寂しさも感じているようだ。

「子供たちがここにいないこと、何よりアトレティコがないことが寂しい。アトレティなしが、こんなにつらいとは知らなかったよ。やっぱりアトレティは家族なんだ。ゴディン、コケ、フアンフランらを中心に、チームの面々とは連絡を取り合っている。奇妙かもしれないが、もうクラブに所属していなくても自分がチームの責任者、彼らの一部と感じている」

「(アトレティコの元チームメイトからは)いまだに連絡を受けるし、相談や元気づけることを求められる。アトレティコでリーダーシップを取っていたこと、自分が重要な存在だと感じられたことが懐かしい。アルサッドでもチャビと一緒に、そうした役割を務めてはいるけどね」

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