beacon

[戦評]サッカーの質の差は大きかった(浦和vsミラン)

このエントリーをはてなブックマークに追加
[12.10 CWC準決勝 浦和0-1ミラン 日産スタ]

田村修一の「視点」 

 順当な結果だった。結果は0-1だったが、やっているサッカーの質の差は大きいと言える。

 ミランはかなり浦和を警戒していた。相手の良さを消し、自分たちのチャンスをしっかりものにする現実的なサッカーをしていた。
 ミランは浦和の2トップを完全に止め、特にワシントンは徹底的にマークしていた。ワシントンは全くと言っていいほどボールを持って前を向く機会を与えられなかった。また、セパハン戦では動きが良かった相馬も仕事をさせてもらえず、いい形でクロスを上げさせなかった。
 そのため浦和のシュートは、途中出場した山田のもの以外、ミドルシュートだけで、得点機を作れなかった。
 攻撃に関しても、ミランは勝負どころのスピードが違った。DFの針の穴ほどの隙間も見逃さず、少人数で攻め上がり、確実に得点につなげた。

 一方、浦和は全体的に切り替えのスピード、攻撃のスピードがなかった。
 試合の序盤はミランにトラップやパスなどに細かいミスがあり、浦和もボールを持つ機会があったが、ボールを奪った際、周りの押し上げがなかった。サポートがないため、パスの出しどころがなく、ことごとくボールを失っていた。90分の試合の中で1度も押し上げる攻撃が見られなかった。
 じっくり回し、ゲームを作ることはJやアジアでは通じたが、ミランには通じない。浦和にはリスクを冒してでも前に出るチャレンジャーらしさが欲しかった。

 ミランにしてみれば思い描いていた理想通りのもの。つまずけない試合でミスなく勝ち切ったというところだろう。

(取材・フットボールアナリスト田村修一)

浦和対ミランの試合写真はCWC PHOTONEWSで掲載!

TOP