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モドリッチ「パリSG、チェルシー、シティ、リバプールを破ってのCL優勝が運だって⁉︎御託を並べればいいさ。その間も僕たちは勝ち続けるから」

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MFルカ・モドリッチ

 レアル・マドリーMFルカ・モドリッチが、2021-22シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ(欧州CL)制覇について、今一度振り返った。

 決勝トーナメント1回戦でパリSG、準々決勝でチェルシー、準決勝でマンチェスター・シティをいずれも劇的逆転勝利で下して、決勝ではリバプールを打ち破り通算14回目の欧州CL優勝を果たしたレアル・マドリー。母国クロアチア『Sportske』とのインタビューに応じたモドリッチは、そのキャリアの中で最も素晴らしいCL優勝であったかと問われて、次のように返答した。

「最も特別だ。その勝ち方によってね。2014年のデシマ(マドリー10回目のCL優勝)を思い出せば、繰り返すことのできない感覚がよみがえる。でも今回のチャンピオンズは……、僕たちは何てことを成し遂げたんだ!」

 モドリッチは最初の劇的逆転を果たしたパリSG戦が、優勝の鍵を握ったとの見解を示す。

「僕にとってはあの試合が鍵だったね。あのパリ戦の前、僕たちは懐疑的な意見に取り囲まれていたし、ああしたチャンピオンズ優勝のためにつくり上げられた“メガチーム”を倒せると思っていた人なんて、わずかしかいなかった。パルク・デ・プランスでの試合を終えた後には、僕たちはもう終わったと結論づけられていたんだ。人々はその時点で入れ替えなきゃけない選手や、新しいプロジェクトについて話していて……何かが機能していないとき、疑いの感情は雨の後のキノコみたいに生えてくるわけだ。でも、見てみろよ。一つ逸話を語ろうか。パルク・デ・プランスで、カルバハルと僕が交代となったとき、ベンチで彼にこう話しかけたんだ。『カルバ、見てろよ。ベルナベウで打ちのめしてやるんだ』ってね」

「カルバハルは何て言ったか? 同じように信じていたよ。パリでは僕たちのプレーも悪くて、相手の方が上だったが、それでも不可能と考えるほどの差はなかったんだから。そうして試合日がやって来て、僕はチームメートの瞳が燃えているのを確かめた。そう、偉大な夜に見られるやつだよ。あの試合は僕にとって、これまえ何度も経験してきたスペクタクルの一つだった。そうやって、懐疑的な意見は消え失せたんだ」

 マドリーの今回の欧州CL優勝を「運が良かった」で片付ける人々もいるが、モドリッチは一笑に付している。

「フランス王者を破ると、その後には欧州王者と戦った。チェルシーを下すと、次の相手はイングランド王者だった。シティも倒すと……今度はリバプールだ! すべてのチームが『ワオ』って感じなのに、まだ運だって話している連中がいるって!? クオリティーも持たず攻撃も仕掛けられず、一体どうやってすべての“メガチーム”を破ることができるんだ? 自分には理解ができない。僕たちが奇跡や幸運によって勝ったって主張が存在しているとしても、まあ僕には関係ないよ」

「どうぞ、御託を並べていればいい。その間も僕たちは勝ち続けるから」

 モドリッチは2012年のマドリー加入以降、欧州CL優勝を5回経験したことになる。

「振り返ると、やっぱりすごいことだ。2012年の8月終わり、マドリードへ飛んだことを思い出すよ。モウリーニョがバルセロナとのスペイン・スーパーカップのセカンドレグで、少しでも出場時間をくれることを期待しながらね。僕は成功に飢えていた。トッテナムでは大きなステップを踏んだけど、でもトロフィーは一つも獲得できなかったから」

「僕がマドリーにやって来たのはタイトルを勝ち取るためだ。だけど、自分が抱えた一番クレイジーな夢でも、10年後に20タイトルを獲得してはいなかった。2012年に紙に目標を書いていたとしても、実際に勝ち取ったものとは程遠かったね」

 そして、レアル・マドリーに刻まれているDNAとして、勝利への飽くなき意欲を挙げた。

「マドリーはトロフィーを獲得した後、もう次のトロフィーを考え始めている。僕たちはこの“勝利のセンチメント”にはまって、また同じことを起こしてやろうとモチベーションを高めるんだ。それがこのクラブのモーダス・ヴィヴェンディなのさ。サン=ドニで優勝を祝った最初の数分後、僕たち全員が明日からデシモキンタ(15回目のCL優勝)のために頑張ろうぜと口にし始めた。まるで、そうすることが当たり前みたいに。それはポーズなんかじゃない。そうじゃなくてDNAなんだよ」

 モドリッチはその一方で、マドリーで最も仲が良かったDFセルヒオ・ラモスのパリSG移籍についても触れている。

「長い間一緒に過ごした人がいなくなれば痛みを感じる。セルジとは9年を過ごしたんだ。寂しいけど、フットボールはこういうものなんだよ。誰も変化から逃れることはできない。僕たちちが年寄りになってここから去るとしても、若手たちが同じDNAを持ち続けるだろう。僕たちは過ぎゆく存在で、マドリーだけが永遠だ」

「僕は調子が良いと感じられる限り、監督から望まれる限りは、プレーし続けようと思っている」

 カルロ・アンチェロッティ監督については、何よりもグループをまとめる力を強調した。

「ジダンが去った後、僕たちが正に必要としていた監督だった。グループを統率するための心理的アプローチは重要だ。ロッカールームに強烈なエゴが存在するチームならば、なおさらね。何を言えばいいのかは誰もが知っているが、実際にそうするのは難しいものなんだよ。彼は緊張、重圧、ストレスの中で、人情味と落ち着きをもたらしてくれる」

 モドリッチはFWカリム・ベンゼマについても言及し、次のバロンドールを受賞すべき選手と主張している。

「ベンゼマはベンゼマだ! これまでプレーしてきた中でも最高の選手の一人で、バロンドールを受賞すべきなんだよ! 過去に彼を批判していた人たちも今じゃファンになっているね」

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