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「6歳で性的虐待、7歳でタバコ、8歳でドラッグ売買も…」元イングランド代表MFが衝撃告白、その真意は

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MFデレ・アリ

 エバートンのMFデレ・アリ(27)が6歳のときに性的虐待を受けていたことを明かした。13日、英『BBCスポーツ』がテレビ番組『オーバーラップ』の内容を伝えている。

 デレ・アリは2015-16シーズンからトッテナムに加入し、そのキャリアを輝かせた。2018年にはイングランド代表の一員としてロシアW杯で準決勝に進出。19年にはトッテナムでUEFAチャンピオンズリーグ(欧州CL)決勝進出に貢献した。22年2月にはトッテナムを退団し、エバートンに加入。昨シーズンはトルコのベシクタシュに期限付き移籍でプレーしていた。

 トルコから帰還し、近況を語るデレ・アリ。怪我のために手術を必要としていたが、精神的にも悪い状態だったという。「私は精神的な健康のためにリハビリ施設に行くことにしたんだ。彼らは依存症やメンタルヘルス、心的外傷を扱っていた」。6週間のリハビリを終え、3週間前に施設から出た。自ら施設に入った理由を赤裸々に語る。

「自分のための時間だと思っていた。行けと言われて行くことはできない。自分でわかって決断しないとうまくいかないことだ。私は悪いサイクルに陥っていた。自分を害するものに頼っていた」

「毎日目覚め、試合に勝ち、トレーニングに臨み、笑顔を見せ、幸せであることをアピールしていた。でも、心の中では間違いなく戦いに負けていた」

 さらに、デレ・アリは幼少期の衝撃的なトラウマにも触れる。家族以外の人間から性的虐待を受けていたという。時折、涙を流しつつ話を止める場面もあった。

「私の母親はアルコール中毒だった。私はしつけと称してアフリカに送られた」

「7歳でタバコを吸い始め、8歳でドラッグの売買を始めた。年上の人に、自転車に乗った子どもは捕まらないと教わった。サッカーボールを持って走り回り、その中でドラッグも手にした」

「11歳のとき、となりの団地の男に橋から吊るされた。12歳で私は養子に出された。すばらしい家族の養子になった。神様が人を作るとしたら、それは彼らだ」

 サッカーキャリアを続けていく中で、自身の感覚を麻痺させるために酒や色々なものに手を出したという。

「それをきっかけに睡眠薬中毒になった。おそらく私だけではない。サッカー界ではみんなが思っている以上に蔓延している問題だ。私がカミングアウトすることでみんなを救えるかもしれない」

 多くのつらい経験を経て、デレ・アリは思いを吐き出す大事さを強調する。

「他の人たちを助けて、自分が抱いている感情は孤独ではないことを知ってもらいたい」

「人に話すことはできる。助けを求めたり、弱音を吐いたりすることは、自分を弱くすることではないんだ。自分のストーリーを分かち合えるのは幸せなことだ」

 イングランド・プロサッカー選手協会はデレ・アリの告白を称賛している。

「この重要なインタビューで正直に自分の話をしたデレは、信じられないほど勇敢だ」

「デレのこのようなオープンな話を聞くことは、変化をもたらすだろう。自身の経験を活かして、サッカーの内外を問わず、他の人々にインスピレーションを与えたいという彼の願いは、彼が非常に誇りに思うべきものだ」

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