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ミラクル韓国、90+9分同点弾からPK戦でサウジアラビア撃破!! 8大会連続ベスト8へ

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韓国代表が劇的な形で8強入り

[1.30 アジア杯決勝T1回戦 サウジアラビア 1-1(PK2-4) 韓国 エデュケーション]

 アジアカップは30日、決勝トーナメント1回戦を行い、韓国サウジアラビアをPK戦の末に破った。終盤まで0-1でリードされる時間が続いていた中、後半アディショナルタイム9分の同点弾で追いつくと、1-1で迎えたPK戦ではGKチョ・ヒョヌが2本のキックをストップ。奇跡的な展開で優勝候補を破り、1996年から8大会連続のベスト8入りを果たした。

 F組首位のサウジアラビアとE組2位の韓国によるカタールW杯出場国同士のビッグマッチ。イタリア人のロベルト・マンチーニ監督率いるサウジアラビアはこれまでどおりに3-5-2のシステムで臨んだ一方、ドイツ人のユルゲン・クリンスマン監督が指揮する韓国は4-2-3-1から3-4-2-1に布陣を変え、エースのFWソン・フンミンを最前線に置く思い切った起用に出た。

 試合は立ち上がりから攻撃側が最終ラインからボールをつなぎ、守備側がミドルゾーンのブロックで応戦するという拮抗した展開。前半26分、韓国は自陣からのフィードをソン・フンミンに通し、エースの単独突破に託したが、右足シュートはGKアフメド・アルカサールの正面に飛ぶ。サウジアラビアも同29分、カウンターからFWサレフ・アルシェフリが抜け出し、FWサレム・アルダウサリとの絡みから右足で狙うも、惜しくも左に外れた。

 前半最大の決定機は前半41分に訪れた。サウジアラビアはMFモハメド・アルブライクが左からのCKをニアサイドに送り、これに反応したアルシェフリのヘディングシュートがクロスバーに直撃。跳ね返りを狙ったDFアリ・ジャラミのヘッドもバーに弾かれると、再び跳ね返りに反応したアルダウサリのヘッドが枠を外れ、2度もバーを叩いたビッグチャンスがゴールを破れなかった。

 それでも後半開始時、サウジアラビアはアルシェフリに代わって21歳のFWアブドゥラー・ラディフを入れると、すぐに試合を動かした。開始30秒、左サイドからアルブライクがワンタッチで斜めのパスを刺すと、受けたアルダウサリがトラップし損ねたかと思われたが、裏に流れたボールにラディフが反応。ペナルティエリア左から左足でゴール右隅に突き刺した。

 先制ゴールを決めたラディフは187cmの長身を誇るストライカー。昨年春にはU-20サウジアラビア代表のエースとしてAFC U-20アジアカップに出場し、グループリーグで日本に敗れてU-20W杯出場を逃していたが、それから1年足らずでA代表のアジア杯に辿り着き、華々しい結果を残した。なお、サウジアラビアは2011年、15年大会でグループリーグ敗退。19年大会はベスト16で日本に0-1の敗戦を喫しており、決勝トーナメントでのゴールは07年大会以来の快挙となった。

 その後は韓国がFWファン・ヒチャンらを投入して攻めに出たが、後半41分にはMFファン・インボムのダイレクトシュート、同43分にはMFソル・ヨンウのヘッドが立て続けにGKアルカサールに阻まれると、後半アディショナルタイム3分のFWチョ・ギュソンのヘッドもクロスバーを叩き、圧倒的な応援ムードのサウジアラビア守備陣をなかなか破れない。

 それでも後半アディショナルタイム9分、ついに韓国がこじ開けた。サウジアラビアの守備陣がエリア内に閉じこもる中、右からのクロスをファーサイドに通し、ソル・ヨンウが頭で折り返すと、ゴール前で待っていたチョ・ギュソンがヘディングシュート。ここまで決定機を逃し続けていた背番号9の劇的なゴールにより、土壇場で同点に追いついた。

 勢いよく延長戦に入った韓国は前半8分、MFイ・ガンインの左CKにDFキム・ミンジェが頭で合わせるも、完璧なシュートはGKアルカサールがまたしてもスーパーセーブ。後半3分には裏へのスルーパスから決定機を迎えたが、GKが飛び出していた中でチョ・ギュソンが消極的な選択をしてしまい、シュートを打ち切れなかった。

 なおも攻める韓国は延長後半10分、イ・ガンインがエリア内から強烈な左足シュートを放つも、これもGKアルカサールが決死のスーパーセーブ。最後はサウジアラビアがカウンター攻撃を仕掛けたが、韓国GKチョ・ヒョヌが冷静に攻撃を阻むと、そのまま規定の120分が終わり、勝負の行方はPK戦に委ねられた。

 PK戦はサウジアラビアが先攻を取り、MFモハメド・カンノが独特の助走から成功。韓国も1人目のソン・フンミンが力強く決めた。展開が動いたのはサウジアラビアの3人目。途中出場MFサミ・アルナジェイのキックがGKチョ・ヒョヌに止められた。さらにサウジアラビアは4人目FWアブドゥルラフマン・ガリーブのキックもチョ・ヒョヌがストップ。最後は韓国4人目のファン・ヒチャンが決め、死闘を制した。

 勝利した韓国は2月2日の準々決勝でオーストラリアと対戦。延長死闘を制した疲労の残る韓国は中2日という過密日程を強いられる一方、オーストラリアはインドネシアを4-0で下した決勝トーナメント1回戦から中4日での一戦となる。

 一方、破れたサウジアラビアは2007年の準優勝を境に4大会連続でベスト8に届いておらず、低迷が続く中で自国開催の次回27年大会に臨むことになった。

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ゲキサカ編集部
Text by ゲキサカ編集部

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