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メキシコサポーターがまたも同性愛嫌悪チャント…反差別プロトコルを悪用した可能性も

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試合前集合写真には反差別キャンペーンのパネル

 北中米カリブ海の各国代表チームが参加するCONCACAFネーションズリーグは24日、決勝のメキシコ代表アメリカ代表を開催した。アメリカが2-0で勝利して3連覇を飾った一方、メキシコのサポーターが相次いで違反行為をしたことにも注目が集まった。

 メキシコサポーターは過去にも問題を起こしている。ロシアW杯のドイツ戦で差別的なチャントを歌ってメキシコサッカー連盟(FMF)が罰金処分を受けたほか、2021年には同性愛嫌悪のチャントが発生したことで2試合の無観客試合を命じられるなどしている。アメリカとは強いライバル関係にあり、昨年の対戦ではメキシコサポーターの同性愛嫌悪チャントによって後半アディショナルタイムの途中で試合が終了する事態になっていた。

 そうしたなか、今回の対戦でもメキシコのサポーターは違反行為を繰り返した。後半18分にアメリカが2点目を決めてコーナーフラッグ付近でゴールセレブレーションを行うと、周辺にいたメキシコサポーターから相次いでプラスチックのコップが選手に向かって投げ込まれた。多くのコップが選手やスタッフに直撃したが、柔らかい素材のため怪我はなかったとみられている。

 試合終盤、メキシコの敗戦が濃厚になるとサポーターからは同性愛嫌悪のチャントが発生する。後半43分に1回目の歌唱が行われ、主審は北中米カリブ海サッカー連盟(CONCACAF)と国際サッカー連盟(FIFA)の規定に基づいて試合を中断。およそ3分半後に再開されたが、タイムアップ目前の後半アディショナルタイム中にも再び同様のチャントが発生して中断を余儀なくされた。試合はその後再開し、約1分後に予定通り終了となった。

 CONCACAFは試合後、「このような問題が続いていることは非常に残念だ」などと伝える声明を発表した。2年後にはアメリカ、メキシコ、カナダでW杯が開催されることもあって厳しく取り締まっていく方針を改めて示しながら、今回の試合では違反行為をしたサポーターを特定し、退場させたことを明らかにしている。

 米メディア『CBSスポーツ』特派員のニコ・カントル氏は「反差別プロトコルがメキシコファンに力を与えている」と伝え、今回の違反行為は同プロトコルが悪用された可能性を示している。というのも中傷や差別的なチャントが続いた場合は試合が中断し、打ち切りになる可能性があることから、「応援するチームが負けていたり悪いプレーをしているとき、中傷的な言葉を叫ぶことが試合を(予定よりも早く)終了させられる手段だとファンは知っている」ためだ。このような悪質な行為が続かないためにも、CONACACAFがメキシコに厳しい処分を下すことが求められている。

ゲキサカ編集部
Text by ゲキサカ編集部

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