beacon

決定機でミス連発のアデレード、G大阪の前に三度散る

このエントリーをはてなブックマークに追加

[12.14 クラブW杯(FCWC)準々決勝 アデレード0-1G大阪 豊田]

 アデレード・ユナイテッド(開催国枠・アジア2位/オーストラリア)が、ガンバ大阪の前に3度目の敗北を喫し、FIFAクラブW杯(FCWC)のトーナメントから姿を消した。
 アジア王座を競ったACLの決勝戦では、G大阪に2試合合計で0-5と大敗しただけに、アデレードイレブンは並々ならぬ意気込みと覚悟を持ってこの決戦に臨んだ。しかし、これまでの2戦ほど点差は開かなかったものの、力及ばず0-1で敗退することとなった。負けはしたもののビドマー監督は「出来るだけ良いサッカーをしたかった。今日はここまでやることができた。とても良い試合だった」と、チームの前進に胸を張った。アデレードは前半23分に遠藤保仁に先制されたが、その後も攻守に渡り粘り強いサッカーを展開し、G大阪ゴールを襲った。その筆頭株が主将のMFトラビス・ドッド。ACLで3得点をマークし、11日のワイタケレ(オセアニア代表/ニュージーランド)との開幕戦でも決勝ゴールを決めた。この試合でも数々の決定機を迎えたが、ことごとくゴールを外し続けた。まずは前半14分、ゴール前に抜け出しシュートするも僅かに枠左へそらす。前半31分には、右サイドからDFカッシオに絶妙のクロスを送り決定機を演出。前半41分には、左サイドからのクロスに合わせたヘディングシュートをポストに直撃させた。そして後半ロスタイムには、右CKからのクロスを再び頭で合わせポストすれすれのシュートを放った。その瞬間、G大阪の勝利を見にきた38000人がどよめき、日本のファンの脳裏にドッドの名が記憶された。それくらいアブナイ、紙一重のシュートだった。
 「ガンバをかなり追い込んだと思う。自分自身も何度かチャンスがあったのに、決めることが出来なくて残念。チャンスをいかせなかった」。試合後、ドッドはそう悔しがった。そして、ACL決勝で戦った時よりも、確実に歩を進めていることをかみしめた。「我々はACL決勝戦のときより改善した。お客さんの声援ももらえたし、次は5位決定戦に向けてとにかく全力尽くして頑張ります」。この悔しさを持ちながらも、頭を切り替えたドッド。さあ次は18日、アルアハリ(アフリカ代表/エジプト)との5位決定戦だ。
 
<写真>試合後に遠藤と握手を交わすアデレード・UのMFポール・リード(24番)
(取材・文 山口雄人)

TOP