beacon

W杯監督インタビュー:スイス代表オットマール・ヒッツフェルト

このエントリーをはてなブックマークに追加

W杯出場チーム監督インタビューの最終回はスイス代表を率いる知将オットマール・ヒッツフェルト監督。クラブ監督としては数々の栄光を手にしている同監督も、W杯は初参戦となる。

―クラブの監督を務めていたとき、監督は何度も(ドイツの)ドルトムントやバイエルン・ミュンヘンを率いて多くの輝かしい成績を収めてきました。09年には、バイエルンから再度監督に就任して欲しいというオファーがありましたが、監督はこれを断りました。そして最終的にスイス代表の監督に決めたのはどんな理由からですか?
「スイス代表にとどまる選択をしたのは、契約を尊重するためです。私はスイスサッカー協会から雇われている身ですし、今の仕事に全力を尽くしたいと考えています。ドルトムントやバイエルンなどで好成績をあげたことを含む、これまでビッグクラブでの経験は、今回スイス代表の監督をするうえで非常に役立ちます。この特殊なサッカービジネスの分野で如何にして引き続き前進すべきか、私は知っています。スイスは非常に小さいサッカー国ですが、世界トップリーグでプレーしている選手は少なくありません。例えば、イングランド、ドイツ、フランスやスペインなどにはいずれも我々の選手がいます。このほか、私はスイスならびにスイスサッカーについてよく知っています。私はかつてスイスのバーゼルやルツェルンでプレーしていたことがありますし、グラスホッパー・チューリヒの監督を務めたこともあります。もし、これらの経歴がなければ、スイス代表監督には就任しなかったかもしれません」

―今回、監督として初めて代表チームを率いてW杯に臨むわけですが、緊張はしませんか?
「そのとおりです。私としては初めてのW杯ですから、当然のことながら若干緊張しています。しかし、監督としてのこれまでの経験を生かし、これらの緊張感を克服し、W杯に全身全霊を傾けることができると思っています。出場できればそれで良いという人はいません。全てのチーム及び監督は皆、全力で好成績をあげようとしますし、勝利を収めることを望んでいます。南アフリカで最大のサプライズを演出したいと思っています」

―スイス代表はグループリーグで、スペイン代表、ホンジュラス代表、チリ代表と対戦しますが、スイス代表が振り分けられたこのグループの形勢について、どう思われますか?
「スペイン代表はグループリーグ突破の最有力候補であるだけでなくW杯優勝の最有力候補ですから、これ以上大きな挑戦はまたとないでしょう。我々は全ての手を尽くして、このヨーロッパ・チャンピオンに戦いを挑みます。当然ながら、どの試合も非常に重要です。スペイン代表が強豪であることは誰でも知っていますし、ホンジュラス代表が戦いやすい相手であると考える人もいません。彼らの世界ランキングはチリ代表やスイス代表よりもずっと低いですが、W杯に出場する実力を持っているということは、ホンジュラス代表の実力は決して弱くないことを示しています。また南米のチームとの試合ではいつも苦戦します。彼らは技術力もあり、攻撃性も高いですから。いずれにしても、W杯ではどのチームと戦うのも楽ではありません。大切なのは、全ての準備を整えておくということです」

―4年前、スイス代表はベスト8入りまで、もう少しのところでした。今回の目標は4年前の一幕を再現することですか?
「スイス代表は4年前のW杯で見事にグループリーグを突破しました。その時、スイス代表は、元W杯王者フランス代表と同じグループに振り分けられましたが、グループリーグでは第1位の成績で突破しました。その後、ベスト8入りを決める試合では、PK戦でウクライナ代表に負けてしまいました。スイス代表はW杯では優勝候補でも何でもありませんが、優勝候補を脅かすことができます。W杯では決勝トーナメントへの出場を実現したいと思います。この目標が実現できれば、後はどんなことが起こるか解りません。決勝トーナメントに入ってすぐ敗退することを望む人はいません。少なくとも4年前と同じような成功を勝ち取りたいと思っています」


(取材・文 馬徳興・傅亜雨?殘・・・・詞・・・洫

▼関連リンク
W杯南アフリカ大会特集
全監督インタビューリスト
W杯最強ガイドブック
└最終登録メンバーにアップデータ付き

TOP