W杯南アフリカ大会で日本代表の決勝トーナメント進出に貢献したGK川島永嗣が10日、神奈川県川崎市の川崎フロンターレクラブハウスでベルギー1部リーグ、KリールスSKへの移籍記者会見を行った。以下、川島の記者会見と会見後の談話要旨
　
「ベルギー1部のリールスに移籍することが決まりました。フロンターレが協力してくれて実現した移籍について感謝しているし、また自分を家族のように支えてくれたサポーターにも感謝している。これまで海外に移籍したいという気持ちを持ってきました。それを達成できたこと、新しい環境にいけることをうれしく思います。困難な道もあると思うが、GKとして成長していきたいです」

―フロンターレに対しての思いは?
「名古屋からフロンターレに移籍してきてサッカーに対する環境が変わった。試合に出るようになり、日本代表にも選ばれた。フロンターレという素晴らしいクラブとともにタイトル目指してやってきた3年半は一日一日充実したものだったし、そう思わせてくれるクラブを離れるのは正直つらいと思ったこともあるけど、これは今回、自分にとって大きな決断だったということをサポーターにも理解してほしい」

―思い出の試合は?
「フロンターレでタイトルを目指してきたので、昨年の最後の試合で1ポイント足りずに優勝できなかった瞬間です。うれしい思い出はたくさんあるけど、あの時の雰囲気、悔しい思いは今後も忘れないと思う」

―今までの移籍と比較すると?
「環境を変えるということでは変わらないが新たな世界へいくというハードルがあるし、今までと違う新しいチャレンジになると思う。それに対し、モチベーションをもってステップアップして、いろいろな経験を積んで大きくなりたい」

―不安は?
「不安はもちろんあるけど、それ以上にチャレンジしたいし、学びたいことがある。この気持ちとともに向こうでの生活を歩んでいきたい」

―海外挑戦の夢は叶えたが、次の夢は?
「ヨーロッパで着実にステップアップしたい。ベルギーは終着点ではなく、より上のレベルでやれるようにしたい。(日本人でも)フィールドの選手はすでにトップのところでやっている。日本のGKもトップレベルでできるように自分自身磨いていきたい」

―リールスの印象は?
「熱烈に歓迎してくれた。街にもスタジアムにもいったけれど、フロンターレのような温かさのあるクラブだと思った。自分がやるんだ、という気持ちにさせられたし、その中で期待に応えたいと思う」

―今後のスケジュールは
「14日にフロンターレのリーグ戦があるので挨拶をさせてもらって、(15日に)向こうにいったらチームに完全に合流したい」

―リールスの会長はGK出身らしいが?
「GKをわかっている人に評価されているのはうれしい。チームでは最初からエイジと呼ばれている。期待してくれているし、いろいろな意味でチームで上にいくために協力してほしいと言われている」

―フロンターレは後半戦を迎えるが?
「ワールドカップの期間中に憲剛さんとも話していた。テセも抜けるけれど、フロンターレは上に立つだけのポテンシャルはある。上を目指す向上心もあるクラブ。これから一緒にプレーすることはできないけれど、期待している。自分たちが抜けても、逆にフロンターレがJリーグを引っ張るくらいの気持ちでやってほしい」

―フロンターレのサポーターに改めて言葉を
「(在籍した)3年半充実していたのは、フロンターレの温かさがあったから。チーム、自分も苦しいときがあったけれど、いつでも自分たちの側で応援してくれた。一緒にタイトルを目指せないのは自分にとってもとても寂しい。ベルギーで活躍することで今までの気持ちを返していきたい」

(取材・文　吉田太郎)

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