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男泣きのカシージャス、最後はカメラの前で彼女にキス

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[7.11 W杯決勝 オランダ0-1(延長)スペイン サッカーシティ]

 涙が止まらなかった。男泣き。試合後、ピッチ上で歓喜にむせぶGKイケル・カシージャスは、流れる涙を拭おうともしなかった。

 この男がいなければ、スペインの優勝はなかった。ビッグセーブに次ぐビッグセーブ。前半ロスタイム、FWロッベンがゴール隅を突いたミドルシュートを弾き出し、後半17分にはロッベンとの1対1を左足1本で止めた。後半38分にも果敢な飛び出しでロッベンのドリブルを間一髪のところで抑えた。

 決勝だけではない。準々決勝のパラグアイ戦では0-0の後半14分にPKをセーブ。絶体絶命のピンチを何度となく救ってきた。守護神として、キャプテンとして、チームを最後方から鼓舞し続けた。

 決勝トーナメント4試合はいずれも1-0勝利で、大会通算8得点。38年のイタリア、66年のイングランド、94年のブラジルの各11得点を下回り、最少得点優勝の記録を塗り替えた。一方で、大会通算2失点は98年のフランス、06年のイタリアと並び、史上3ヵ国目の最少失点優勝。最少得点&最少失点で頂点に上り詰めたスペインを支えていたのは、間違いなくカシージャスだった。

 「2年前、欧州選手権で優勝したときが人生最高の瞬間だと思っていた。でも、今はあのときよりも最高に幸せだ」

 表彰セレモニーでは涙もすっかり乾き、満面の笑みで優勝トロフィーを高々と掲げた。そして、報道陣の待つインタビューゾーンへ…。テレビリポーターを務めるガールフレンドのサラ・カルボネラさんから喜びのコメントを求められると、言葉にならず、思わずカメラの前でキス。報道陣から冷やかしの声と拍手が巻き起こる中、まさに幸せいっぱいの優勝となった。

<写真>サラとキスをするカシージャス

(取材・文 西山紘平)

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