beacon

判定に怒りおさまらず゛、スナイデルらが主審に詰め寄る

このエントリーをはてなブックマークに追加

[7.11 W杯決勝 オランダ0-1(延長)スペイン サッカーシティ]

 W杯決勝史上最多となる14枚の警告と退場者1人。試合終了の笛が鳴ると、歓喜に沸くスペインの選手とは対照的にMFウェズレイ・スナイデル、MFマルク・ファン・ボメルらオランダの選手がハワード・ウェブ主審に詰め寄った。

 前半だけで5枚のイエローカードが出た。とはいえ、15分のFWファン・ペルシー、16分のDFプジョル、22分のMFファン・ボメル、23分のDFセルヒオ・ラモスはいずれも危険なスライディングタックルで、警告は妥当。MFシャビ・アロンソの胸部を蹴り上げたMFナイジェル・デ・ヨングのプレーは一発退場でもおかしくなかった。

 延長後半11分、MFイニエスタの決勝点の場面では、得点直後、スナイデル、DFマタイセンがオフサイドをアピールし、副審に猛抗議した。MFセスクのスルーパスに抜け出したイニエスタは完全にオンサイドで、正しい判定だったが、その直前、ウェブ主審に明らかなミスがあった。

 延長後半10分、スナイデルが直接狙ったFKは壁に当たってゴールラインを割った。ところが、オランダのCKとなるべき場面で、ウェブ主審はスペインのゴールキックを示した。決勝点は、このゴールキックから始まっただけに、オランダの選手が怒りをあらわにするのも当然だった。

 「最初に壁に当たったし、そのあとGKも触っていた。明らかにCKだった」。スナイデルはそう不満をぶちまけ、GKマールテン・ステケレンブルフも「だれがどう見てもCKだったのに、主審と副審だけが見逃した」と声を荒げた。

 後半38分にも微妙な判定があった。ファン・ペルシーが頭でそらしたボールにFWアリエン・ロッベンが反応し、プジョルと競り合いながら体を前に入れ、ゴール前に抜け出しかけた。このとき、後方からプジョルにつかまれ、ファウルを受けていたようにも見える。ロッベンは粘ってなんとか体勢を整えようとしたが、前に出てきたGKカシージャスにボールを抑えられた。

 「主審は(2枚目の警告で)プジョルを退場させるべきだったし、僕らにFKを与えるべきだったのに、何のアドバンテージにもならなかった。試合後のロッカールームでは主審への文句しかなかった。W杯決勝という大事な試合でこんなことになってしまうなんて…」。ロッベンは沈痛な表情だった。

 オランダに荒っぽいプレーが多かったのは間違いないが、なんとも後味の悪い試合となってしまった。

<写真>試合中、審判に詰め寄る両陣営
(取材・文 西山紘平)

▼関連リンク
W杯南アフリカ大会ページ

TOP