ようやく、今季1発!　カターニアの日本代表FW森本貴幸が待望の今季公式戦初ゴールを挙げた。27日に行われたコパ・イタリア3回戦ヴァレーゼ(セリエB)戦に3トップの中央で先発出場し、2-1の後半12分、CKから右足で3-1となるゴールを決めた。

　試合はその後に追いつかれて3-3となり延長戦に突入。DFニコラ・スポッリが勝ち越しゴールを決めて4-3で接戦をものにした。森本は120分間のフル出場を果たし、ゴール以外でもポストプレーやボールキープでチームに貢献した。

　森本は今季、出場機会に恵まれず、ここまでリーグ戦は8試合中開幕戦のキエーボ戦に数分間、途中出場しただけだった。シーズン前は出場機会を求めて移籍を考えていたが、ジャンパオロ監督の説得で残留。しかし、結局は出番を得られず「開幕前と言っていることが違うので、自分も戸惑ってます。いろいろ(移籍の)話がある中で『カターニャに残れ』というふうに言われたんですけど、結局こういう状況になった」などと不信感をあらわにしていた。

　10月の日本代表戦の際にも「いろいろと溜まっているものがあるので試合に出て晴らしたい」と口にしていた怪物。24日のジェノア戦は発熱のためベンチにも入れなかったが、コンディションを戻して先発のピッチに立った。相手は格下だったが、ストライカーとして最も重要なゴールという結果を残してみせた。

　リーグ戦は31日にフィオレンティーナ戦(ホーム)を控える。出番を与えられるかは分からないが、指揮官へ向けて「やればできる」という確かなアピールになったことは間違いない。怪物の快進撃がここから始まる。

[写真]今年2月のバリ戦のもの

(文　近藤安弘)