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サッカーと八百長、禁断の関係を暴く

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 サッカーファンには信じたくない話ですが、2月9日にドイツで行われたサッカーと八百長に関する裁判で、ある賭博監視機関の責任者が「欧州ではここ5ヵ月の間に70~100試合試合が八百長で操作された可能性がある」と証言しました。
 これはあくまで可能性の話で今後審議されていますが、「サッカーと八百長」は昔から取りざたされており、イタリアではかつて「カルチョ・スキャンダル」といわれる騒動に発展。近年でもドイツで逮捕者が出たり、昨年には中国で協会関係者、クラブ幹部、選手、審判らが逮捕される一大事件が起きました。

 「サッカーと八百長」を数年にわたって取材し、その「実態」を明かしたのが世界各言語で翻訳された書籍の邦訳版が『黒いワールドカップ』(デクラン・ヒル著/山田敏弘訳・原題『THE FIX SOCCER AND ORGANIZED CRIME』)。

 英語版のほか、スペイン、オランダ、ドイツ、イタリア、ロシア、デンマーク、ギリシャ、中国……各国言語で翻訳版が刊行されている、インターナショナルベストセラー待望の邦訳版! 世界でもっとも人気の高いスポーツであるサッカーは、だからこそ壮大なビジネスにつながり、だからこそ「魔の手」も伸びる。本書では世界各地のサッカーリーグが合法、非合法を問わず賭博の対象になっている実情を、「サッカーの母国」イギリス生まれの著者が描いていく。

 始まりはアジア。シンガポールやマレーシアなどを舞台に、実際に八百長に関わった選手、関係者、元八百長エージェント、警察など組織側の汚職、また過去の事件などを紹介していく。

 舞台はヨーロッパへとつながり、そこで噴出する八百長事件や疑惑についてもリサーチ、分析、取材を続けていく。関係者の証言などから八百長の手口を暴く。
そしてワールドカップ、オリンピックといった国際大会に焦点が置かれる。アジアの大物八百長エージェントに接触し、話が大きく動いていく――。

 アジア、ヨーロッパ、ワールドカップと徹底した現地、関係者取材をその地域の実態とを織り交ぜてまとめていく。FIFAブラッター会長やガーナ代表ステファン・アッピアー、UEFA関係者など200人を超える選手、関係者、八百長エージェントなどへの取材、エピソードを通して、八百長の実態が明らかになっていく衝撃ノンフィクションです。

書名:現代プレミアブック『黒いワールドカップ』
著者:デクラン・ヒル
翻訳:山田敏弘
値段:2300円(税別)
版型:四六判
ページ数:480ページ
発行日:2010年6月10日
ISBN:978-4-06-295060-2
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