[6.23 ブラジルW杯A組 カメルーン(日本時間24日5:00)ブラジル ブラジリア]

　開催国ブラジル代表が1位突破を懸けて戦うのは、敗退が決定ているカメルーン代表だ。

　1勝1分で勝ち点4のブラジルは、得失点差でメキシコをかわして1位に位置する。引き分け以上で決勝トーナメント進出が決まるが、仮にブラジルが敗れると一気に混戦となり、同時刻に行われる勝ち点3のクロアチアと勝ち点4のメキシコの結果いかんでは予選敗退の可能性もはらんでいる。しかし、ブラジルの敗戦を想像するのは難しい。

　開幕前からチーム内での揉め事が取沙汰されていたカメルーンは、開幕後にチーム状況がさらに悪化。2連敗でいち早く大会を去ることになった。前節、クロアチア戦(0-4)ではスコア以上に凄惨たる負け方を世界中に晒すことになった。前半のうちにMFアレクサンドル・ソングがクロアチアの選手に後ろからひじ打ちを喰らわして一発退場に。さらに、試合中にDFブノワ・アス・エコトがチームメイトのFWベンジャミン・ムカンジョに頭突きをお見舞いするという“事件”まで起こした。もはやフォルカー・フィンケ監督のコントロールできないところまできている。“不屈のライオン”の異名にふさわしい意地を見せる可能性は極めて低そうだ。

　ブラジルは前節メキシコ戦(0-0)で4度の決定機をGKの神がかったセービングに阻まれ、勝ち点2を失った。勝ち点6にのばしていればグループリーグ突破が決まっていただけに、主力を温存できなくなったことは誤算だが、よほどのことがない限り優勝候補筆頭がグループリーグで敗退することはない。この試合の身見どころは、ブラジルが何点とれるか。“カナリア軍団”のゴールラッシュに観客は酔いしれるだろう。懸念されるのは、累積による出場停止だ。FWネイマールとDFチアゴ・シウバがこの試合でイエローカードを受けると、次戦、オランダかチリが待つ決勝トーナメント1回戦を欠場しなければならなくなる。一発勝負のトーナメント、何が起こるかわからないだけに、攻守の要を欠くような事態は避けたいところ。ルイス・フェリペ・スコラーリ監督の手腕にも注目したい。

[写真]94年アメリカW杯での対戦時は、FWロマーリオ(11)、FWベベット(7)らのゴールでブラジルが3-0と圧倒した

■FIFAランキング
カメルーン 56位
ブラジル 3位

■対戦成績
ブラジル 1勝

■テレビ中継
NHK

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