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[プレミアリーグ チャンピオンシップ]「気持ちには引力がある」思いが引き寄せた広島ユースのゴールと勝利

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高円宮杯U-18サッカーリーグ2012プレミアリーグチャンピオンシップ
[12.16 プレミアリーグチャンピオンシップ 東京Vユース1-4広島ユース 埼玉]

 森山佳郎監督の下、サンフレッチェ広島ユースの合言葉になっている「気持ちには引力がある」。目標を実現するための強い気持ちがこの日、勝利を引き寄せる原動力になった。

 指揮官は「相手は6人プロに昇格する選手がいるということで、上手い選手がいるというのは分かっていたし、個人個人の勝負になったらちょっと勝てないかなというのはありました。ただ、全員が相手の上がりよりも速く戻って、相手の戻りよりも先に上がるような、運動量はその分必要ですけれども、数的優位をつくる走りがあれば局面局面負けない勝負ができるんじゃないかなと思っていた。あとはウチのチームの特長なんですけれども、最後まであきらめずに。きょうも相手は最後ゴール前のシーンは多かったと思うんですけど、誰かが寄せていたり、GKのファインセーブもありましたけれども、魂持って防いでくれた」。

 すでにJ2で4ゴールを挙げているMF中島翔哉をはじめ、技術では東京Vが上回っていたかもしれない。だが、押し込まれてもDF浅野間勝仁(3年)、大谷尚輝宮原和也(ともに2年)の3バックが身体を投げ出すように相手のシュートをストップ。またGK有賀陽平(3年)の好守でゴールを死守した。とにかく相手以上に走り、「絶対に負けない」という闘争心がプレーから溢れ出ていた。

 そして後半12分にMF野津田岳人(3年)が決めた3点目、そして同18分にMF平田惇主将(3年)が決めた4点目はまさに気持ちの強さが引き寄せたゴールだった。野津田の強烈な左足ミドルはU-19日本代表GKポープ・ウィリアムがしっかりと反応していたが、バウンドしたボールは大きくコースを変えてGKの横を通り抜けるという幸運もあった一撃。また平田のゴールは右サイドからのボールをミドルレンジから右足ダイレクトで決めたものだった。

 平田は「3年間出ていて、点を取ることがなかった。最後は自分も取りたいということをイメージしていて。あそこは少し距離が遠かったんですけど、自分が決めなくてもこぼれたりすればチャンスになるし、思い切ったプレーだったので、その思い切りがゴールにつながったと思います。自分たちのチームの言葉で『気持ちには引力がある』という言葉があるんですけど、技術とかだけじゃなくて、(野津田)岳人のシュートだったりというのは気持ちの部分で、あそこでコースが少し変わったというのは、何かしら目に見えない気持ちだったり伝わったんじゃないかなと感じますね」。

 森山監督は「普段」の重要性を口にしていたが、日本一決定戦でより強い思いを持って臨んだ広島ユース。選手たちは気持ちの強さで白星を引き寄せたこと、その重要性を改めて実感していた。

(取材・文 吉田太郎)

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