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“予言通り”のゴールシーン、高校選抜候補は室屋→植田で先制点

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[2.11 練習試合 日本高校選抜候補7-1静岡産業大]
 
 1本目20分に日本高校選抜が奪った先制点は、試合前に2人が話していた通りの形でのゴールだった。高校選抜候補はパス交換から右サイドのSB室屋成(青森山田高3年)へつなぐと、室屋は一瞬の加速からゴールライン際までえぐってマイナスの折り返し。ニアサイドのFW浅野拓磨(四日市中央工高3年)がスルーしたボールに走りこんだのはMF植田裕史(星稜高3年)だった。室屋は「(植田が)『試合前からマイナスに絶対におるから』と話していた」。一方の植田は「合宿初日から(室屋)成と仲良くなった時に、『いいクロス上げてくれよ』、それも『オレ、マイナスにいるから』と言っていた。試合後には『本当に話し合っていた通りに来たな』と」と“予言”していた通りの形でボールが来ていたことに驚いていたが、慌てることなく正確な右足シュートをゴール右隅へと流し込んだ。

 植田は星稜高(石川)のボランチとして8年ぶりとなる4強進出に貢献。「チームとしてひとつになれたのがすごく大きいですし、置田、井田、そしてボクがしっかりと軸になれて上手くチームが噛み合っていたと思います」と分析する。チームでは黒子役に徹してきたが、地道にボールを拾いつつも正確なボールタッチから攻撃に起点にもなるなど、評価を勝ち取って高校選抜候補入り。「(星稜監督の)河崎先生には『オマエみたいなタイプがここの選抜にはいないから、いいんじゃないか』と言ってもらえた。河崎先生は『ボランチはあまり目立たなくていい』とか、『黒子役に徹しろ』と言われるので、ボクも3年間意識してやってきた。そういう意味で自分みたいなタイプがいないのはチャンスかなと思っている」と高校選抜入りへ期待を膨らませている。

 前日は指定校推薦で進学を決めている専修大と練習試合で対戦。相手にはサッカー部入部予定の1年生たちがすでに合流し、活躍していた。「(サッカー部の)推薦であろうが、指定校(推薦)であろうが関係ないと思う。本当に雑草魂というか、自分はエリートではないですけど、自分にもできることがあると思う。上手い選手にはない頑張るところだったり、予測の部分だったり、ボールがどう動くのかとか、常に意識してやっているのでそういうところを出していきたい」と誓った。高校選抜入りが叶うかどうかはまだ未定。もし叶えば、専大への合流が遅れる可能性があるが、目立たなくても与えられた場で自分の仕事を貫き、チームを支えるつもりだ。

[写真]高校選抜候補は“黒子役”の植田(右)が先制ゴール

(取材・文 吉田太郎)

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