[3.29 ミズノカップU-18IN香川 日章学園2-1桃山学院 瀬戸大橋記念公園]

　宮崎の盟主は自分たちだ!　宮崎の名門・日章学園は29日、「ミズノカップU-18 IN 香川(うどん県)2013」初戦で桃山学院(大阪)と対戦。FW横山佳紀とMF井谷一勝のゴールによって、2-1で競り勝った。

　後半開始直後の2発で試合を決めた。0-0で前半を折り返した日章学園は後半開始からボランチでスタートしていたエースMF菊池禎晃をトップ下へ移行。負傷のFW村田航一を欠いているために前線でなかなかボールがおさまらずに苦戦していた日章学園だったが、菊池が背後を狙うなど攻撃に動きが出てくると、5分だ。左中間から菊池が強烈なミドルシュート。GKが弾いたこぼれ球を横山がゴールへ押し込んで試合を動かした。

　日章学園はさらに7分、左サイドでボールを持った井谷が逆サイドのゴールネットへ鮮やかな右足コントロールショットを沈めて2-0と突き放す。また160cmの新1年生MF竹脇雄大が中盤で攻撃を落ち着かせ、サイドでは同じく新1年生の横山寛が精力的な仕掛けを見せるなど、新戦力も期待に応えていた。一方、昨年の高校総体大阪予選3位の桃山学院は前線でボールをおさめるFW丸本周旦や正確な左足を持つMF中村修也を軸に反撃。27分に丸本がゴールをこじ開けて1点差へ迫る。その後もFW岡林郁弥のダイナミックな突破などで相手ゴールへ迫ったが、日章学園は岩切龍二と鴨山昂平の両CBらがゴールを守りきり、勝ち点3を手にした。

　今年は自分たちの力を全国へ示さなければならない1年となる。1月の全国高校選手権で、6年ぶり出場だった鵬翔が宮崎県勢初の日本一。それまで5年連続で出場していた日章学園にとっては悔しい冬となってしまった。さらに直後の新人戦でも準備期間のなかった相手に1-2で敗戦。1年時に選手権の全国舞台を経験している菊池は「みんなはどう捉えているか分からないですけれど、オレとか(全国大会の)試合を見なくてずっとトレーニングしていました。(鵬翔が優勝したことは)悔しくて。その中での新人戦で、また鵬翔にやられたというのは…」と唇を噛んだ。

　ただ今後また訪れるであろう対戦で、ライバルをねじ伏せるだけの実力と可能性はある。早稲田一男監督は「今年はいい世代ではあるんですよ、守備ラインがもう少し落ち着いてくれるともっと良さが出てくると思う。(ライバルが優勝したという)そういう気持ちを持続させて、忘れないでいくようでなければいけない」。菊池や村田、井谷、MF松田岳ら主軸たちが“2年分”の悔しさを晴らして全国に自分たちを印象づける。

　菊池も「プラスに考えると、鵬翔が優勝したことで全国の目が宮崎に向けられている。スカウトマンとかいろいろな関係者が見に来てくれる。そこで自分たちがどうギャフンと言わせるか、逆境に立った時に自分たちの力を見せつけられるかだと思います。いい意味チャンスだと思います」と言い切った。鵬翔は優勝メンバーを多数残しているが、自分たちはチャンスを必ず「もの」にする。ミズノカップで自力を高めている日章学園は今年、注目が集まっている中で、再び宮崎の頂点に立つ。

(取材・文　吉田太郎)

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