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[国際ユースサッカーin新潟]計3発の“越後の重戦車”FW山田「さらに通用するように」

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[7.15 国際ユースサッカーin新潟第3戦 U-17新潟選抜0-2 U-17アメリカ代表 東北電ス]

 “越後の重戦車”ことU-17新潟選抜FW山田貴仁(帝京長岡高)が国際大会で大きなインパクトを残した。「ゴール前、PAの中とかは自分の仕事をする場所だと思っている。あそこではゴールを第一に狙っていかないと仕事ではなくなる」というストライカーは、U-17クロアチア代表との初戦で2得点1アシスト。上々の滑り出しを見せると、ハイライトはU-17日本代表との第2戦。右サイドでの素早いリスタートからループパスを受けると、ゴールヘ向けて一気に切れ込み、右足を振りぬく。「ゴール前まで行った時にパスもよぎったんですけど、打たなかったら後悔すると思って思い切り打ったら入った。撃ちぬくしかないと思いました。GKの手が届かない所に打ったんですけど、あんなキレイに入るとは思いませんでした」という一撃が同世代の日本代表を沈める決勝点となった。

 U-17アメリカ代表との最終戦は後半27分からの出場。この日もいきなりPAでDFを外すなど見せ場をつくってスタンドを沸かせてみせる。その後はなかなかボールが入ってこなかったために3試合連続ゴールを決めることはできなかったが、相手選手と激しくぶつかりながらも怯まずにゴールを陥れたクロアチア戦の先制ゴールなど外国人選手相手でもフィジカル負けすることなく、視野の広さと技術も発揮して輝きを放った。

 今大会は山田にとって悔しさをぶつけるステージでもあった。昨年度の高校選手権で8強入りした帝京長岡は全国高校総体の新潟県予選でも優勝候補に挙げられていたが、準決勝で優勝した新潟明訓に0-2で敗戦。昨年は夏冬連続で全国大会へ出場していたが、自分たちがストップさせてしまった。「『勝って当然』というような空気があったのも確かなんですけど、そこでとんでもなく不甲斐ない試合をしてしまった。一番ひどい試合をしてしまったと思うんですよ。それで負けてしまって。やりきって負けたならまだいいんですけど、何もできずに負けてしまった」。その悔しさが消えることはないが、高いレベルの相手に対してその実力を十分に発揮した。

 これからは選手権へ向けて逞しいチームをつくる。「去年、自分は好き勝手にやらせてもらっていた。今年は自分の責任も増えるし、自分が何とかしなければいけないと思っている。気負いもあるんですけど、それを全部背負って行ければ一流というかトップクラスにいけると思う」と山田。昨年のエースで新潟入りしたMF小塚和季を中学時代からずっと側で見てきたFWは、そのレベルに「足元にも及ばないと思います」と首を振るが、目標はプロだ。「(今回)このトップのレベルを体感できたので、このレベルを常に頭の中に置きながら、これなら通じるなとか頭の中で考えて練習からやっていきたいです。足りないところを伸ばすのは当たり前なんですけど、通用すると思ったところをさらに通用するように、フィジカル面とかも進んで鍛えていきたいと思います」。大暴れした今大会を自信にさらなる高みを目指す。

(取材・文 吉田太郎)

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