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[2014 Rookie League]個人技、アイディアの静岡学園が3点先取も、俊足3トップの帝京三が3点奪い返してドロー

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[5.17 2014 Rookie League Aグループ第1節 静岡学園高 3-3 帝京三高 裾野G]

 関東、静岡の強豪18校の1年生たちが優勝を争うU-16大会、「2014 Rookie League」が17日、静岡県裾野市の時之栖スポーツセンターで本格的に開幕。10チームが優勝を争う上位リーグのAグループ第1節、静岡学園高(静岡)対帝京三高(山梨)は静岡学園が3点を先取したが、帝京三が追いつき、3-3で引き分けた。

 1年生にとってはほとんど経験のない90分間ゲームで、9月まで続く“準公式戦”。それも、対戦相手はどこも全国舞台で実績を残してきた強豪校ばかりと、高校入学からまだ約1か月半の彼らにとっては、どの試合もテンションの上がるだろう試合の連続となっている。来年、再来年、早ければ今年の全国舞台で輝くかもしれない1年生たちの強化大会「Rookie League」。静岡学園の齊藤興龍コーチが「16歳はサッカー選手として大人になっていく世代。ここで90分間の試合をやることでだんだん学んでいく」と語り、帝京三の新村知仁コーチも「1年生の時からこういう緊張感の中でできるのは、関東だけじゃないかと思いますし、大きなメリット。いい経験になる」と感謝していたが、公式戦の経験をなかなか積むことのできない1年生たちの飛躍につながる舞台が幕を開けた。

 試合は序盤、帝京三FW山田海人のシュートが相手ゴールを襲うが、静岡学園が10分過ぎから個人技とアイディアを活かした連続ゴールで帝京三を一気に突き放す。まずは12分、技巧派軍団・静学の注目ドリブラー、MF白川大吾廊からのパスを受けたFW星野涼が右サイドから鮮やかな左足コントロールショットを逆サイドのゴールネットへ沈めて先制する。さらに静岡学園は13分、右サイドを縦に突いたFW洪永樹のラストパスをファーサイドの左SB福原涼太が押し込んで2-0とする。

 静岡学園は22分にも中央で獲得したFKをMF尾崎駿大がDFラインの背後へ落とすと、飛び込んだ福原が右足ダイレクトで合わせて3点差とした。ただ「まだまだ1年生だなというか、1試合の中に大きな波がある」と静岡学園・齊藤コーチが語ったように、この後静岡学園はペースダウン。逆に「立ち上がりは緊張していたけれど、途中から落ち着いてできた」(新村コーチ)という帝京三がポゼッションする時間を伸ばして反撃する。

 いずれも小柄だが、MF原一輝、MF田中聖人、MF田村滉希の中盤トリオが1タッチのパスなどをテンポよく動かし、左サイドでFW佐藤玲央が抜群の存在感を放つ帝京三は、32分に相手のミスをついた田村のゴールで1点を返して前半を終了。そして後半には佐藤、山田、FW渡邊遥希の俊足3トップが躍動して試合を振り出しに戻した。

 まずは10分、左サイドを抜け出したSB大野広遥が左足シュート。GKがはじいたボールを山田が頭で押し込んで1点差とする。好守から3トップの攻撃力を活かしたカウンター、アーリークロスが面白いようにハマる帝京三に対し、静岡学園もCB嶋一駿やGK田原智司のカバーリングで何とかゴールを死守する。逆に静岡学園は独特の間のドリブルから一気にPAまでボールを運ぶ白川や高いキープ力を備えた尾崎、MF稲葉彰将をはじめ、個々のテクニックの高さを活かしながらダメ押し点をもぎ取りに行く。ただ、GK松本大亮中心に守った帝京三は28分、ワンツーで左サイドを打開した大野のラストパスを山田がゴールへ沈めて3点ビハインドを取り戻した。

 この後、追いつかれて再びの火のついた静岡学園アタッカー陣が白川中心にゴールへなだれ込もうとするが、これを阻んだ帝京三もボールをしっかりとつないでチャンスをつくり返すなど互いに譲らず。互いにいい時間と課題の残る時間が交錯した試合は3-3で引き分けた。

[写真]前半22分、静岡学園DF福原が右足でこの日2点目のゴール。3-0としたが…

(取材・文 吉田太郎)
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