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「俺達の進化は止まらない」大津が九州制覇へ3発発進:九州新人戦

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[2.13 九州新人大会予選リーグ第1節 佐賀学園高 0-3 大津高 読谷村陸上]

 第36回九州高校(U-17)サッカー大会(九州新人大会)予選リーグ第2ブロック第1節で、昨年の全国高校総体準優勝の大津高(熊本1)と佐賀学園高(佐賀2)が激突。大津が日本高校選抜候補FW一美和成(2年)の2ゴールなどによって3-0で快勝した。

「俺達の進化は終わらない、止まらないというのが今、ウチの言っていることなので。常に何が合っても進化するというアプローチをしている。進化の先にしか、進化はないのでその個人個人がこういうゲームでも進化できるように」。平岡和徳監督がこう口にしたように、昨年の全国準優勝からさらに進化する大津がより強い個、チームで九州タイトルに挑戦している。

 「県内3冠、日本一」が今年の目標。その中で「全国制覇するためには県内はもちろんですけど、九州でも負けられない」と一美が語るように今大会は優勝がターゲットだ。その優勝に向けて大津は前半の3得点によって幸先のいいスタートを切った。「前からの速いプレスとか、積極的に裏に出たり、自分がボールをもらって組み立てようと思っている」という10番MF吉武莉央(2年)やMF河原創(2年)、一美中心に攻撃を組み立てる大津は10分、河原がDFの背後へ出したパスを上手く収めた一美が右足で先制ゴール。さらに19分にはMF河田健太郎(2年)が獲得したPKを一美が右足でゴールへ沈めて2-0とした。

 佐賀学園はボールキープに長けたMF三宮捷(2年)や10番FW中西尚(2年)をポイントにボールを繋ぎ、サイドからの攻撃で反撃する。だが、熊本県大会から通じて無失点の大津はU-18日本代表で日本高校選抜候補でもあるCB野田裕喜主将(2年)が「県大会からずっと無失点で行こうと言っていた。悪い時間帯もあると思うんですけど、集中力さえ切れなければゼロで行ける自信がある。全員守備意識が高くて1対1でも簡単に負ける選手はいない。あとは集中力だけ切らさないように全員でやっています」という集中力を発揮。対人での強さに加えてカバーリングでも隙を見せない野田、DF眞鍋旭輝(2年)の2人を中心とした守りで得点を許さない。

 そして前半26分に野田のポスト直撃のシュートのこぼれから、MF原岡翼(2年)が右足で決めて3-0。風下だった前半に3点リードを奪った。後半、大津はよりポゼッションを高めて交代出場のFW秋永蓮斗(2年)やMF田中大稀(2年)が決定機を迎えたが、佐賀学園もCB三浦翔哉(2年)ら中心に踏ん張りを見せて追加点を許さず。大津は平岡監督が「こういうゲームは最初のヤツらでゲームをつくって、次のヤツらで流れを変えて、最後の交代で勝負を決めて本当に強いチームなんですけどまだまだ甘いところがありますね」と指摘し、野田も「前半3点獲れて後半追加点取れなかったのは課題なんですけど、それは大会を通じてやっていこうと思います」と語ったが、それでも快勝で九州の頂点へのスタートを切った。

 今年、熊本入りしたMF坂元大希らプロ選手を次々と輩出している県立の雄。1年生MF杉山直宏ら新たな才能も出てきている。日々成長することを目指して競争し、チーム力を向上。モチベーションが常に高いのは昨夏全国総体で準優勝しながらも選手権県予選で敗退した悔しさがあるからだ。野田は「インターハイ準優勝して足踏みしてしまった部分があったので、日々の練習から熱く自分とかもやっている。モチベーションに波があっちゃいけないと思うので。練習とか意識している」。失敗を糧に成長する大津。この日の第2試合では筑陽学園高と1-1で引き分けたが、まずは予選リーグを突破して九州一への歩みを進める。

[写真]大津は河原の好パスから先制点

(取材・文 吉田太郎)

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