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「adidas cup in Fukuoka」総体予選初優勝後に結果出ず苦しんだ長崎南山、山口の強豪・西京に4発快勝

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[8.20 adidas cup in Fukuoka7位決定戦 長崎南山高 4-0 西京高 グローバルアリーナ]

 冬の全国大会を目指す強豪8校の強化の場として初開催され、熱戦を繰り広げた「adidas cup in Fukuoka」は大会最終日の20日、順位決定戦を行った。8月の全国高校総体に初出場した長崎南山高(長崎)と一昨年度に夏冬連続で全国舞台に立っている西京高(山口)との7位決定戦は長崎南山が4-0で快勝した。

「きょうの試合は自分たちが結構ボール回せていたのでリズムができていた。そして決めることができていたので良かった」と長崎南山CB太田晃輔が振り返ったのに対し、西京のCB北村彬主将は「チームが意図していることができなかったので、結果も残念な感じで終わってしまった。もっと全体でまとまって守備をしようということがチームで冬へ向けてやっていることなんですけど、そこが理由が何かということは分からないんですけど(この試合では)取り組めなかった」と首を振った。明暗の別れたゲームは「県大会優勝してから自分たち勝ちが取れなくて負けの連続だった」(FW早川祥平)という長崎南山が勝利を収めた。

 長崎南山はスピード感溢れるオーバーラップや1対1の守備の強さなど左サイドで存在感放つSB田川瑞己や左MF大久保亘輝、右MF廣田大起が高い位置でボールを受けてクロス。早川が「サイドから相手に(守備ブロックを)つくらせずに早めに上げる。相手が準備して前で守れば相手の方が強い。戻りながらの方がいいので(準備ができる)その前に攻めた」と説明したように素早い攻撃で先手を取る長崎南山はCK、FKを獲得すると、7分にはFW{田川丈真}}が逸らしたボールを太田が頭でゴールへ押し込む。ゴールラインを越えたように映ったが、これはゴールが認められなかった。

 一方の西京もMF中村柊太とMF清水健五を軸としたポゼッションから反撃。スペースを突いた左MF藤井皓康のシュートがゴールをかすめるなど反撃した。だがチームとして狙いとしている連動した守備をすることができない西京から前半終了間際に長崎南山が先制点を奪う。32分、左CKをファーサイドの太田が競り勝つと、ゴール前の早川が左足でプッシュして1-0。さらに後半3分には抜け出した1年生FW大谷知がGKをかわして左足シュートを決めて2-0とする。

 長崎南山は18分にも右クロスのこぼれをFW田島凌が押し込んで3点目。20分にもショートカウンターから早川が左足シュートを決めて4-0とした。西京もFW海磯拓也の絶妙なクロスにMF井上椋介が飛び込み、中村のスルーパスから坂本将太が抜け出すなどビッグチャンスをつくったが、「ハイボールの処理とかはきょうは良かったかなと思っています」と圧倒的な高さを発揮していた太田やGK藤岡柊太中心に堅い長崎南山ゴールをこじ開けることができなかった。

 今回、西京は3年生メンバーのみでadidas cupに臨んだ。0-4という結果について北村は「(主力の下級生が不在で)人が変わったことが影響していることもあるのかもしれないですけども、(まとまりのある守備は)チーム全体でやりたいことなんで、11人誰が出たとか関係なくやらないといけない」と引き締めた。守備面に課題を残して準決勝で敗退した総体予選からは「やればできる」という意識に変わってきているだけに「絶対に全国」という気持ちを持って選手権予選に臨む。

 一方、長崎南山は初出場を果たした全国総体初戦で「インターハイではまず走る部分がたりなかったと思う」(太田)こともあって帝京三高(山梨)に1-3で敗戦。そのあと結果が出ず、今回のadidas cupも初日は3連敗と苦しんできた。だが、この日の快勝をきっかけに自信を取り戻し、選手権では長崎総合科学大附高や国見高、長崎日大高、海星高といった強豪揃う長崎県予選に挑戦。早川は「自分たちは(夏に)県で優勝したことは忘れて、また這い上がっていきたいと思います」と力を込めた。2日間で4試合を戦ったadidas cupで得たものを選手権に繋げる。

[写真]長崎南山のDF太田(右)は高さを発揮して勝利に貢献

(取材・文 吉田太郎)

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