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新規創設されたJリーグインターナショナルユースカップが開幕!Jユースカップ王者・浦和ユースがAZ撃破

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 12月15日、Jリーグインターナショナルユースカップが南長野運動公園総合球技場にて開幕を迎えた。同大会は、Jリーグがユース選手の国際経験を増やすために今年から新規に創設したもの。オランダからAZアルクマール、韓国から全南ドラゴンズ、そして日本からはJユースカップのファイナリストである浦和レッズユースと名古屋グランパスU18が参加し、4チームで総当たり戦を実施して順位を競う。初日は浦和とAZ、全南と名古屋がそれぞれ対戦した。

 浦和とAZのゲームは、序盤からAZがボール支配で優位に立つ展開となる。オランダらしい4-3-3のフォーメーションからポゼッションを狙うAZは、CBが巧みに起点となって機能的なポジショニングから浦和を押し込んでいく。浦和も持ち前のプレッシングで簡単なビルドアップを許してはいなかったが、それでも縦パスを起点にギャップをつかれるなど、なかなか相手の攻撃に対応しきれなかった。前半38分には、CKのカウンターからGKと1対1の場面を作られるなど、ピリッとしない試合内容だった。

 ただ、AZ視点で見てみれば、「前半のチャンスで決め切れなかったことがすべて」と主将のDFヴィンセント・レーゲリングが振り返ったとおり。浦和が0-0で乗り切ったことで、試合の流れも変わっていくことになる。

 浦和・大槻毅監督は「『これが国際試合だと思うなよ』と試合前にも言ったのですが、ハーフタイムにもう一回強調しました」と言う。それは要するに、「ビビるな」ということ。ゲームキャプテンのMF渡辺陽は「最初ビビっていた部分があったと思う。ハーフタイムに監督から怒られました」と苦笑い。DF橋岡大樹も「個人としてもチーム的にもガチガチで、監督からは『もっとガツガツ、ワイルドに行け』と厳しく言われました」と言う。

 戦術的に相手のビルドアップを封じ込む指示と合わせて、浦和らしい戦う姿勢を押し出すことを要求。これが奏功して後半は立ち上がりから浦和に“らしさ”が出始める。橋岡と小木曽佑太、ボランチの中塩大貴の関係性を整理してコンパクトな形を保つことで、前半は通っていた縦パスも遮断。積極的なラインの押し上げは攻撃にも好影響を及ぼしていった。

 後半27分に細かいパス交換で中央を割って入った渡辺が倒されて得た直接FKをMF影森宇京が左足で直接FKを突き刺すと、34分にはMF川上開斗のCKをファーサイドで橋岡がダイレクトボレーで合わせて、2-0とリードを奪う。「後半の守備は良かった」と大槻監督が端的に語ったように、以降もAZの反撃を許さなかった浦和が逃げ切り。AZのキャプテン・レーゲリングも「浦和は非常にポジショニングが良いチームで、一人ひとりのテクニックが高かった」と脱帽。Jユースの王者が、後半はその看板にふさわしい内容を見せて、白星スタートを飾った。

(取材・文 川端暁彦)

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