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[新人戦]「見返してやろう」6失点敗戦から立て直した長崎総科大附が安藤鮮烈弾と堅守で九州3位に

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[2.15 九州高校(U-17)大会3位決定戦 長崎総合科学大附高 1-0 神村学園高 鹿児島県立サッカー・ラグビー場C]

 平成27年度(2015年度)九州高校(U-17)サッカー大会3位決定戦が15日に行われ、長崎総合科学大附高(長崎1)が神村学園高(鹿児島1)に1-0で勝利。3位に食い込んだ。

 東福岡高と対戦した前日の準決勝では前半に一進一退の好勝負を演じながらも、後半5分からの5分間でまさかの4失点。1-6と苦杯をなめた長崎総科大附だったが、ポジションを修正してCB嶋中春児(1年)を左SB、そして右SBに岩本蓮大(1年)を起用した3位決定戦では両サイドの守備が向上するなど、神村学園攻撃陣を見事無得点に封じ込んだ。

 名将・小嶺忠敏監督は「1対1の対応、運動能力、そして人間性のしっかりしている選手」を好DFの条件に挙げる。東福岡戦で破られたサイドの守りを修正したチームは大黒柱のCB薬真寺孝弥主将(2年)とCb吉田龍乃助(2年)の両DFや指揮官が「きっちりしている。サボらない」と評するボランチのMF前野翔伍(2年)ら中心に非常に堅い守りを見せた。そして風上の利を活かしたロングボールとサイド攻撃で攻めた長崎総科大附は前半30分、左中間からPAへ仕掛けた注目FW安藤瑞季(1年)がDF2人を弾き飛ばして左足シュートを叩き込む。

 1年生ストライカーの鮮烈ゴール先制した長崎総科大附に対し、神村学園は35分にMF橘田健人主将(2年)が左サイドから出したスルーパスに注目FW高橋大悟(1年)が反応するが、飛び出したGK湊大昂(1年)がセーブ。神村学園は風上に立った後半、何度もサイドの深い位置までボールを運んだが、長崎総科大附の人数をかけた守備を切り崩すことができない。そしてボールを奪われては押し戻される苦しい展開。後半24分に長崎総科大附FW荒木駿太(1年)の決定的な一撃をGK冨吉優斗(1年)が好反応でセーブするなど食い下がった神村学園だが、26分に鮮やかな崩しからMF麓大地(2年)のラストパスを受けたFW山中映人(1年)の決定的な右足シュートは長崎総科大附GK湊に阻まれてしまう。

 最後まで1点を守った長崎総科大附が1-0で勝利。薬真寺は東福岡との試合を猛省してきたことを明かす。「宿舎でミーティングとかして反省することしかなかったです。(きょうは)みんな、『見返してやろう』という思いで戦ったのでいい試合ができたと思います。(東福岡戦では)簡単なミス、クリアが小さいとかそういうところから崩されて点を決められていたので、自分たちのミスをなくすというところと、(東福岡戦では)ハメるところを決めてたんですけど、そこでハメられなかったのでそこをきょうは徹底した」。見返すという思いと、やるべきことを全うしたことが勝利に繋がった。
 
 今大会で3位に入った長崎総科大附は3月のサニックス杯国際ユース大会への出場が濃厚。今大会は主軸候補のDF中居克仁(2年)やDF武富海希(2年)が欠場した中で好成績を収めただけに今後へ向けても期待が大きい。「強豪とできたことで自分たちに足りないところが分かった。今大会強いチームとできたことは収穫だったと思います」(薬真寺)というチームが、全国レベルの強豪や年代別代表チームなどとの戦いで、また力を磨く。

[写真]前半30分、長崎総合科学大附はFW安藤が左足で決勝ゴール

(取材・文 吉田太郎)

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