[3.21 中国新人大会決勝 広島皆実高 2-1(延長)瀬戸内高 広島皆実高G]

　延長戦の末に競り負けて準優勝に終わった瀬戸内高の安藤正晴監督は「いい強化試合になりましたね」と中国新人大会を振り返った。

　この日の決勝戦は人工芝のグラウンドで瀬戸内の繋ぐサッカーがより効果を発揮。特に前半は相手を良く見てボールを動かし、その精度に加えて中盤やSBや長い距離のランニングによって広島皆実の守りを切り崩すことに成功していた。

　先制されたものの前半11分、スペースのできていた右サイドへボールを動かした瀬戸内はSB古御堂光(2年)のクロスのクリアボールをMF浅野嵩人主将(2年)が繋いで、最後はボランチの位置から駆け上がってきたMF川岡謙太(2年)が同点シュートを突き刺す。

　だが、ボールを奪ったあとにスローダウンさせ、相手のプレッシャーを剥がしてボールを進めるCB梁賢虎(2年)やMF中間俊亘(2年)を軸に時間をかけてボールを運ぶ攻撃は自分たちの体力も消耗させていた。この決勝が3日間で4試合目。また、テンポ速くボールを動かしてくる広島皆実のスピードある攻撃に対して高い位置でボールを奪うことができず、押し返された瀬戸内は運動量が低下してしまう。

　勝負どころで足が止まった瀬戸内は後半半ば以降、チャンスの数を増やすことができずに惜敗。安藤監督はこれから改善していくポイントについて「まだ繋ぎの部分もですし、守備のところ。高い位置で取らないと消耗してしまう。(あと)繋いでいく部分だけでなく、速攻ができていないので」。悔しい敗戦の後、選手たちが自主的に声を掛け合って改善点を話し合う姿も見られた。広島県内、中国地域のライバル校から「強い」と高い評価を得ている強豪はさらにレベルアップしてプリンスリーグ、総体予選に挑む。

[写真]川岡の同点ゴールで一時追いついた瀬戸内だが、中国準Vに

(取材・文　吉田太郎)