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[UEFA Young Champions]「狙い通り」FW渡部のループ弾が決勝点!開志学園JSCが新潟勢対決制す!

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[4.5 UEFA Young Champions日本代表選抜大会準決勝 新潟明訓高 0-1 開志学園JSC高 時之栖うさぎ島G]

“Road to Milano”adidas UEFA Young Champions 2016日本代表選抜大会が4月4日と5日の両日、静岡県裾野市の時之栖スポーツセンターうさぎ島グラウンドで開催された。準決勝のもう1試合では新潟明訓高(新潟)と開志学園JSC高(新潟)が激突。開志学園JSCがFW渡部碧流の決勝ゴールによって1-0で勝った。

 背番号11の右足から放たれた一撃は鮮やかな放物線を描いてゴールネットへ吸い込まれた。前半28分、開志学園JSCは前線へボールを入れると、相手のクリアが小さくなったところを狙っていた渡部がボールを拾う。ゴールまで約30mの位置から振りぬかれた右足。渡部は「相手のGKが前の試合から前に出ていたので狙って行こうと思って打ちました。最初は味方が上がってきたので、出そうと思ったんですよ。でも敵が下がっていたし、GK前に出ていたので狙って、入りました。狙い通りです」と会心のゴールを笑顔で振り返った。

 新潟明訓は前半に3連続CKのチャンスがあり、後半には2回戦で4人抜きのスーパーゴールを決めている注目プレーヤー・稲見直也をCBからFWへチェンジ。稲見直や183cmの大型ボランチ、MF齋藤優樹中心に反撃する。11分には稲見直が左サイドを個人技でこじ開けて決定的なラストパス。だが、新潟明訓は開志学園JSCの堅い守りをこじ開けることができない。

 逆に開志学園JSCはMF岡田天斗のスピードを活かした突破や左SB今澤優斗の左足キックを起点に2点目を狙い続ける。試合を決定づけるゴールを奪うことはできなかったが、1-0で勝利。決勝で流通経済大柏高に0-1で敗れて準優勝に終わったが、それでも「中学時代の実績はこの子たちが一番ないと思います」(近江宏武コーチ)というチームがファイナリストとなり、16チーム中2位に入った。

 “サッカー専門学校”という特色を活かして時間割、カリキュラムの中に組み込まれているサッカーの授業や、寮が学校内、人工芝グラウンドの真横にあるという利点がある中で選手たちは成長。渡部が「寮生活というのもあって先輩後輩関係なく仲がいいし、普段から朝とかも自主練をみんなでやっているのでそういうところが良かったと思います」というように、地力をつけたチームは今大会で躍進を果たした。その中で近江コーチは「彼らは頑張る子。高校でトップの流経大柏相手にも最後粘ることはできていた。でもそれだけでは勝てない」と指摘する。

 選手たちももちろんそれを感じている。渡部は「流経とかでも相手関係なくやれるんだから、自分たちのサッカー崩さないで突き詰めていけば選手権でも勝っていける。自分は決めきるところでちゃんと決めきって味方が苦しい時に前で収められる選手になる」。開志学園JSCイレブンは敗れた決勝終了後の表彰式で喜びを爆発させる流経大柏イレブンの姿を見つめていた。今大会の自信と課題を糧に成長を遂げて、次回の対戦では必ず勝利を果たし、ライバルの前で勝利を喜ぶ。

(取材・文 吉田太郎)

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