昨年度全国2冠を成し遂げた東福岡高を1ボランチとして支えたのがMF鍬先祐弥(3年)だ。鋭い読みに加え、豊富な運動量でDFと相手アタッカーを挟み込んでボール奪取。そして視野の広さを活かして長短のパスで攻撃を組み立て、時にFWを追い越す動きでゴールも決める。“赤い彗星”東福岡の中心プレーヤー。日本高校選抜でもある注目MF鍬先が、高校最終年の目標と、ニューバランス製のスパイク「ビザロPRO HG」を試し履きした感想を語った。

●MF鍬先祐弥
―昨年は全国2冠。個人としても去年よりも成長したところを見せないといけないシーズンが始まりました
「チームの中心にならなければいけないと自分でも思っているので、プレーでも私生活の面でも、自分が率先して引っ張っていければいい。自覚持って責任をもってやっていきたい」

―東福岡という名前に周りが敏感になっているし、各チームが東福岡を倒すために挑んできている
「そこで自分らは浮足立たないように、日頃指導者の方々からも言われているので大丈夫かなと思います」

―ターゲットにされる中で簡単な試合ばかりではないと思うが?
「やっぱり必ず苦しい試合はいっぱいあるんですけど、去年はそこでまとまってチーム全員で戦い切れて勝てたと思う。今年のチームもこれから苦しい戦いがあると思うけれど、チームがまとまれば勝てると思う」

―鍬先選手に対するマークも厳しくなっている印象だが
「前よりもマークが付いてきているし、ボールを持った時にサイド見たら警戒しているのかなというのはあるので、そこはもっとプレースピードを上げていかないといけない」

―球際、ハードワークという部分は去年以上のものが出せている?
「まだまだなんですけど。もっとやっていきたいですし、去年よりも自分がボール触る回数を増やして自分が攻撃を組み立てていかなければいけないと思っているので、そこらへんはもっと練習から意識してやっていければいいと思っています」

―ニューバランス製のスパイク「ビザロPRO HG」の感想について教えてください
「硬いような感触ですし、履いたことのない素材なので普通に新鮮なんですけど、足が中でズレないし、蹴りやすいので自分は結構気に入っています」

―きょうは履いていて特にどのような良さを感じましたか?
「ターンとか結構多いので、ターンするときにブレずにできるというのは一番いいなと思いますね」

―ポイントがターンしやすいように配置されているのはこのスパイクの特長でもある。影響は大きい?
「安定感が違うと思います。回りやすいですし、切り替えるときにキュッと止まりますし、中で足がズレない。他のメーカーだと柔らかい素材なので中でズレてしまうけれど、このスパイクは硬いんで中でズレない」

―普段スパイクを選ぶ基準は?
「フィット感と、あと(ボランチの)自分はプレースタイル上、スピード系の軽い素材のものは壊れやすいんで履けない。丈夫なものとフィット感。頑丈なスパイクを選んでいます」

―ニューバランスというスパイクのイメージはなかったと思うが、印象は変わった?
「最近、結構見るようになって。履いて見たいという気持ちもあったので、早くこれ(「ビザロPRO HG」)を履いて試合したいです」

―結果だけみると、プレシーズンは好成績を続けてきている
「前半の立ち上がりとか気が抜けているところもあるので、そこをしっかりみんなで声をかけてやれればもっといいチームになると思います」

―今年の目標について
「去年の先輩たちの成績を越えて3冠達成したいと思います」

―去年を知っているからこそ、去年以上というのは難しいノルマであることを理解していると思うが
「先のことも大事なんですけど、とりあえず目の前の相手を絶対に倒すという気持ちでやればいずれ結果は出てくると思う。目の前の相手にしっかり勝つということを意識していく」

―個人としての目標は
「自分の夢はプロで活躍することなんで、プロの注目を惹いて最終的にプロに行けるように頑張りたい。A代表でやりたいし、将来的には海外でプレーしてみたい気持ちもあります」

(取材・文　吉田太郎)