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[ADIDAS CUP 2016 in FUKUOKA]インハイで刺激受けた注目2年生、松山工CB志摩奎人が「ACE賞」に

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[8.19 ADIDAS CUP 2016 in FUKUOKA 松山工高 0-2 東海大福岡高 グローバルアリーナ]

「ADIDAS CUP 2016 in FUKUOKA」のもう一つの大会MVP、「絶対的支配」をコンセプトとするフットボールスパイクが由来の「ACE賞」に松山工高CB志摩奎人(2年)が選出された。今大会は予選リーグ3試合で1失点。決勝に関してはミドルシュートを打ち込まれるなど2失点したが、それでも志摩は他校の指導者も唸るようなフィードを通し、1対1の勝負では身体を相手の前にねじ込んで突破を許さなかった。「色々な人達が見てくれていると思う。こういう試合とかも自分のいいところを出していかないといけない。(決勝に関しては)全然だったんですけど、前の試合とかはDFとしてはゼロとか1とかで終われたのは良かったと思っています」と及第点の評価。大会トップクラスのタレントは試合を支配するようなパフォーマンスを発揮してMVPを勝ち取った。

 1年時から強豪の最終ラインを任されてきた注目株。2年生に進級してDFリーダーとなり、チームの浮沈の鍵を握る存在となっている。だが、坂本哲也監督は注目を集めているが故の課題があったことを指摘する。指揮官の目には「失敗するのを怖がっていた。いいことをしないといけないと。行けるのに間が遅れたり、人に強く行けなかったり」しているように映ったという。だが全国高校総体から彼のストロングポイントである球際の強さ、アグレッシブさが戻ってきている。「ADIDAS CUP 2016 in FUKUOKA」では心強い存在として「前に強い守備をしてくれていた」(坂本監督)という動きで準優勝に貢献した。

 志摩自身は全国総体で全国トップレベルの選手たちのプレーを見たことが刺激になっているようだ。「インターハイへ行って、市立船橋とか強豪校の試合を見てCBとしての身体の大きさとか落ち着きが全然違った。競り合いだけじゃない、他の部分を磨いていけないと上のステージで通用しないと思います」。課題は背後を突いてくる選手やボールへの対応。特長である競り合いや球際の強さを発揮することはもちろん、その課題を改善しなければならない。加えて松山工のトレーニングで磨かれてきたキックをより武器と言えるものにする。

 全国総体では目標がはっきりとした。優勝した市立船橋高のU-19日本代表CB杉岡大暉は現在の目標だ。「目標としている選手は市立船橋の杉岡選手です。左足の逆サイドへのフィードは正確で、自分とは全然違う」。利き足は逆だが、一本のキックで局面を変えてしまう杉岡のプレーを目に焼き付けた。「意識はしています。負けないように頑張ります」。彼に追いつくことを目標に高い意識を持ってトレーニングに励んでいる。また、多くの関係者に見てもらっていることもモチベーションに。注目CBは成長を遂げて今冬、その名を全国に知らしめる。

(取材・文 吉田太郎)
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