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[プリンスリーグ関東]「自分たちが上がれば歴史に残る」2年生6人先発の前橋育英がプレミア昇格へ執念の勝ち点1獲得

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後半アディショナルタイム、前橋育英高CB松田陸が同点ゴール

[11.26 高円宮杯プリンスリーグ関東第16節 桐光学園高 2-2 前橋育英高 かもめパーク]

 前橋育英高は後半アディショナルタイム突入後の47分、右クロスをファーサイドの2年生10番FW飯島陸が頭で折り返し、最後は攻撃参加していた2年生CB松田陸が起死回生の同点ゴール。強烈な左足キックや空中戦の強さ、そしてロングスローも披露していた2年生の注目左SB渡邊泰基が「みんな諦めていなかった。前向いていたから取れた点かなと思います」と評した姿勢によって土壇場で勝ち点1をもぎ取った。山田耕介監督も「追いついたのは収穫だった」と頷く同点劇。最後まで諦めずに戦った若きタイガー軍団がプレミアリーグ参入戦進出圏3位・東京Vユースと勝ち点1差で残り2試合を戦うことになった。

 この試合で前橋育英は4バックを全て2年生が務めるなど6人の2年生が先発。それでも滞空時間の長い跳躍を連発していた松田と角田涼太朗の両CBが前への強さを発揮するなど強豪・桐光学園高と渡り合い、逆転されても粘り強く戦い抜いて引き分けで終えた。

 その2年生たちは渡邊をはじめ、上のステージで戦うチャンスを得る選手が複数出てきてもおかしくないような陣容。主将のMF大塚諒(3年)も過信しなければという条件付きで「(来年)いいチームができると思う」と下級生たちに期待する。その前に今年、どれだけ多くのものを勝ち取ることができるか。大塚も「今年もいい活躍をして欲しい」と微笑んだように、前橋育英は今年、選手権の前にプリンスリーグ関東で3位以内に入り、プレミアリーグ参入戦を勝ち抜く目標がある。

 前橋育英は13年にプリンスリーグ関東で優勝し、14年3位、15年2位と好成績を続けているが、いずれもプレミアリーグ参入戦で敗退。高校年代最高峰のリーグ戦への昇格を未だ果たせずにいる。それだけに今年こそ3年生の支え、勝利へのエネルギーも力に昇格を果たし、多くの経験を積んでいる下級生選手たちを中心に来年プレミアリーグを戦うことができるか。そのためにもまずは残り2試合のプリンスリーグを勝ち抜くこと。左SB渡邊は「3年間参入戦で負けている。自分たちが上がれば歴史に残るので意識していますね」。苦闘の歴史を今年、必ず止める。 

(取材・文 吉田太郎)
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