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[東京都1部L]“非常事態”の駒澤大高を「覚悟持って」支える転向1か月半のCB米谷

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“非常事態”の駒澤大高を支えるCB米谷拓海

[3.10 東京都1部リーグ第2節 帝京高 0-0 駒澤大高 駒沢補助]

 CB挑戦開始からまだ1か月半。だが、181cmのCB米谷拓海(2年)が“非常事態”の駒澤大高を支える存在になりつつある。

 駒大高は日本高校選抜候補のCB西田直也(2年)が、日本高校選抜候補合宿中に負ったケガによって長期離脱。昨年、1年生ながら関東大会優秀選手に選出された国体東京都選抜CB齋藤我空(1年)も負傷から復帰することができていない。

 今季、チームの柱として期待された両選手不在の中で東京都1部リーグが開幕。その守備面については初戦から2試合連続で2失点と結果が出ていなかった。それでも、この日は米谷とCB羽鳥陽祐(1年)の両DFを中心に、ピンチがありながらも守りきって無失点。特に大野祥司監督は「米谷が大分後ろでやれるようになっていたので、それは一つ大きい」とCBとしてのメドが立ったことを喜んでいた。

 米谷は本来、身体の大きさを活かしたゴール前でのプレーやミドルシュートを得意とするFW。だが、1か月半前からサッカー人生で初めてCBとしてテストされ、現在はDFラインからの指示や背後へのボールへの対応などを意識しながら守備面での成長を示している。「2人がいない中でやるからにはしっかりやろうと覚悟持ってやってきて、羽鳥と2人でちょっとずつ良くなってきていると思います」。1学年上の先輩で日本高校選抜CB佐藤瑶大のプレーなどを参考にしながら、さらなる成長を目指している。

 この日は西田から「カットしてそのまま上がったら相手崩れるかもよ」とアドバイスされたという部分も実践。得点力を欠いているチームの中で攻撃面の変化を加えたり、セットプレーでゴールを奪うことも意識しながらプレーしていた。ピッチではリーダーシップも発揮。私生活からリーダーとして求められているというDFは自身の立ち振舞いなども以前に比べて変化させられてきていると感じている。

 先輩達が成し遂げた選手権2年連続ベスト8。周囲のマークが厳しくなる中、それに追いつき、上回ることは簡単ではない。加えて、昨年に比べると、個の部分で劣ると評価されているが、それでも米谷は「2年連続ベスト8ってことで逆に自分達がそれを越えてやるという気持ちでやっていける。見返してやろうという思いがある。ミーティングしながらやっていきたい」。米谷も認める通り、またまだチームに自力はない。主軸を欠く中で勝ち続けることが簡単ではないことも分かっている。それでも新チームのリーダーのひとりである米谷は、仲間達とともに先輩を越えるという信念を持って日々を送り、今年も駒大高が結果を残すことに貢献する。

(取材・文 吉田太郎)

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