[8.16 adidas Cup2017大阪決勝 帝京大可児高 1-5 湘南工科大附高 J-GREEN堺]

　adidas cup大阪大会の優秀選手2名のうち1人に帝京大可児高MF坂梨寿莉(3年)が選出された。

　決勝はチャンスを活かせず、逆にセットプレーやカウンターから失点を重ねる展開に。後半半ばには敗色が濃くなって行ったが、その中で坂梨の奮闘する姿が目に留まった。

　2列目からバランスにこだわることなく、前線の選手を追い越してプレッシング。躊躇することなく、2度追い、3度追いして何とかボールをもぎ取り、1点に繋げようとしていた。

「1点でも取るために前プレに行ったほうがいいと思いました」。点差がついたまま終わる訳にはいかない。自分が奪えば、帝京大可児にはFW久保藤次郎(3年)やFW大森颯樹(3年)ら決定力のある選手たちがいる。彼らにボールを繋ぐため先頭に立って走った。

　堀部直樹監督も「気持ち入ってリーダーシップ取れるようになってきた」と評していた坂梨は、リーダーシップだけでなく、プレーでもチームを引っ張るつもりでいる。

「僕がボールを持って、ゲームをコントロールして縦パスとか攻撃のアクセントを自分がつくれるように。ボールをさばいたり、受ける回数を増やしたりして、前向いてゴールへ向かっていかないとこれからは通用しない」。劣勢の展開で気持ちの強さを示したMFは、“MVP”の評価に満足することなく、自分を磨いてチームを勝たせる存在になる。

(取材・文　吉田太郎)