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[プリンスリーグ四国]成長著しい2年生2人が攻守で存在感。松山工が高松商との接戦を制す!

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松山工高のFW向井和哉は2得点の活躍

[8.26 高円宮杯プリンスリーグ四国第10節 松山工高 3-2 高松商高 Pikaraスタジアム]

 高円宮杯U-18サッカーリーグ2017 プリンスリーグ四国第10節が、26日に各地で行われ、5位・松山工高(愛媛)と7位・高松商高(香川)が対戦した。2得点を奪ったFW向井和哉(2年)らの活躍によって、松山工が3-2で勝利した。

 育ち盛りの2年生2人が存在感を発揮し、松山工が接戦をモノにした。序盤は、スタメンのうち下級生が9名を占める若い布陣が仇となり、「ゲームに入っていけなかった」(坂本哲也監督)ものの、早い段階でシステムを定番の4-4-2から3-6-1へと変更してからは、中盤でのボール回しと最終ラインからのロングボールでチャンスを引き出した。

 最初の決定機は前半25分。右サイドを抜け出したFW門屋明(3年)のパスをゴール前のMF今蔵勇斗(2年)が右足で合わせて先制すると、35分にはDF志摩奎人(3年)が相手ゴール前にロングフィード。DFの処理がもたついた所をFW向井が奪うと、ドリブルからシュートを決めて、2点差とした。

 対する高松商も立ち上がりから、MF末久傑(3年)とMF伊賀龍太郎(3年)を起点とした組み立てで見せ場を作り、MF池谷柊斗(3年)らが惜しい場面を作ったが、1点を奪えず。川原虎之亮監督が「ちょっとしたミスを突かれて失点したのが痛かった」と悔やんだように、尻すぼみで前半を終えた。

 だが、後半からは復調。4分には中央をドリブルで仕掛けたFW堀内洋司(3年)のパスからMF河野龍雅(3年)が決めて、1点差に詰め寄った。直後に右CKから放った堀内のヘディング弾はクロスバーに阻まれたが、14分には左CKをDF高橋玲弥(2年)が頭で合わせて、試合を振り出しに戻した。

 流れが完全に高松商へと傾く中、ここから輝きを放ったのは、チームの2点目を奪った向井。相手を瞬時に置き去りにするスピードが売りのアタッカーは、坂本監督の「ミドルゾーンでマークが2、3枚なら、どんどん仕掛けろと指示を出したり、彼には制限をかけずにプレーをさせている」という期待通り、積極的な仕掛けを見せて、高松商の守備陣に圧をかけていく。

 ハイライトは37分のプレーだ。DF河本竜弥(2年)が右サイドからゴール前へとクロスを入れると、向井は後方からスピードに乗った状態でPAへと進入。胸トラップで巧みにコントロールし、狙ったシュートがGKの隅を射抜くと、この1点が決勝点となり、松山工が勝利した。

「苦しみながらもしっかり勝てたことが大きい」と指揮官が評した勝ち点3奪取。攻撃の立役者が2ゴールを奪った向井ならば、守備の立役者は189cmの大型GK伊藤元太(2年)だろう。ルーキーだった昨年からレギュラーに定着し、U-16日本代表候補にも選ばれた注目株だが、中学の途中まではフィールドの選手だったため、GKの経験が浅く、ヒヤリとする場面も多かった。

「より、キーパーらしくなりたい」と意気込む今年は周囲へのコーチングや持ち味のキック精度を高めることに注力。この日も、2点を許したが、チームメイトに細かく指示を与えるなど、頼もしさが出てきた。7月末には、Jクラブの練習にも参加。「帰ってきてから、大きく変わった。夏の遠征で他のチームの監督に、『立ち振る舞いがキーパーらしくなってきたね』と声をかけられたり、まだまだな所もあるけど、だいぶ成長している」と坂本監督は目を細める。ここからチームが狙うターゲットはプリンス四国での更なる上位進出と、選手権出場。目標を達成するためには、今後も成長著しい2人の活躍が欠かせない。

(取材・文 森田将義)
●2017 プリンスリーグ四国

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